<「仮入所体験」ができると謳う『もしも刑務所に入ったら』の著者は、「日本一、刑務所に入った」という法社会学者。意外に思える刑事政策の基本姿勢も知ることができる> 『もしも刑務所に入ったら――「日本一刑務所に入った男」による禁断解説』(河合幹雄・著、ワニブックスPLUS新書)のカバーには、「本だからできる、仮入所体験」と書かれている。正直なところ、最初はこれをちょっと大げさだと感じた。 ところが確かに、読み進めていくと"入所して、そこで生活している"ような気分になってしまった。そして、「もし本当に、こんな所に入れられることになったらどうしよう」と、軽い不安を抱いたりもした。 だが著者はそもそも、"そういう本"であることを「はじめに」の段階で明らかにしていたのだ。 さて、本書の狙いだが、 「どんなことをすると刑務所に入れられるのか?」 「刑務所とは一体どんな場所か?」 「刑務官という職種はどん
![トイレの前でズボンを脱ぎ、下半身パンツ1枚で待つ。これが刑務所生活の実態だ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d7842fc5738c5607965fa9d447400949ffd57150/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.newsweekjapan.jp%2Fstories%2Fassets_c%2F2020%2F01%2Finnami200124keimusho-top-thumb-720x540-181854.jpg)