まず、Jason Hrehaという人が「行動経済学の死」という記事を書いた。 その記事の日本語訳はこちら。 この人は、ウォルマートの行動科学研究のトップ(Global Head of Behavioral Sciences at Walmart)の人。 Hrehaさんは、 「行動経済学は死んだ。 その主要な発見は何年も再現に失敗している。 その中核的アイデアである『損失回避バイアス』にもろくな再現性がない。 僕自身、実際マーケティングキャンペーンで研究したから知ってるんだ。」 という趣旨のことを言ってる。 ※「損失回避バイアス」とは、利得よりも損失の方を大きく評価する心理的傾向のこと。 その記事を山形浩生さんが知って以下のツイート: うっひーマジっすか。行動経済学は再現性皆無、カーネマン&トヴァースキーもかなり悪質なチェリーピッキングしていて、鉄板と思われていた損失忌避すらかなり怪しく、ナ
という翻訳書が出ます(版元ドットコムの情報)。原著が出たのは今年の5月なので、翻訳が出るのもむちゃくちゃ早いですね。この翻訳、上下巻で合計620ページぐらいあるんですが、原著も450ページの大著なので、それをこんなスピードで訳すのはすごい。私には無理です。 本書は、専門家たちの意思決定で生じるばらつきのことを「ノイズ」と呼んで、豊富な具体例とともに分析しています。法律家、科学者、医者、エンジニア、その他いろいろのプロフェッショナルが、同じ問題について判断するにもかかわらず結果がバラバラになることがある。それはだいたい悪いことなので(同じような犯罪で刑罰が極端に変わるという状況は、おそらく悪いことでしょう)、それが起こる原因を分析し、うまく減らしていこうというふうな。そのための「ノイズ監査」の手法もいろいろ語られています。 よいばらつきと悪いばらつきのコントロールが大事 さて実際、専門家の判
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