古川:日本の学者や知識人のなかには、愛国心やナショナリズムは危険だ、悪だと思い込んでいる人が、いまだに多いようですね。そんなイデオロギーはとっくに前世紀で終わったものと思っていたのですが、どうもそうでもないようです。 最近も、私の学生が論文のなかで「自由で民主的な社会を作るには一定のナショナリズムが必要だ」という、ごく平凡な主張をしただけで、審査委員の教授からやたら感情的な批判を浴びて、話になりませんでした。「ナショナリズム」という言葉を聞くだけで、反射的に拒絶反応を起こす人が、まだ一定数いるんですね。 そういう人たちは、ロシアに抵抗して戦っているウクライナ人のことも、「危険なナショナリスト」だといって糾弾するのかと問いたいです。 ワイドショーをにぎわした「奴隷」たち 古川:それにも関連しますが、日本のワイドショーやメディアでは一部のコメンテーターが「ウクライナ政府は早々に降伏すべきだ」と