本紙「正論」メンバーで外交評論家の杏林大名誉教授、田久保忠衛(たくぼ・ただえ)氏が9日、細菌性肺炎のため死去した。90歳。葬儀・告別式は近親者・関係者のみで執り行う。喪主は長男、壮輔(そうすけ)氏。 千葉県生まれ。早稲田大法学部を卒業後、時事通信社に入社。ワシントン支局長、外信部長、編集局次長兼解説委員などを経て、昭和59年、杏林大教授に就任した。 日米安全保障条約に立脚した言論活動で知られた。平成8年、沖縄基地問題などに関する的確な分析と提言が高く評価され、第12回正論大賞を受賞。令和5年12月には、日本の世論形成に多大な貢献をしたとして、特別功労賞に選ばれた。 憲法改正を巡っては平成25年、産経新聞創刊80周年記念事業として発表された「国民の憲法」要綱の起草委員長を務めた。ジャーナリストの櫻井よしこさんが設立した民間シンクタンク「国家基本問題研究所」に参画、副理事長として活動を支え、2