【ソウル=時吉達也】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領は20日、大統領執務室をソウル中心部の大統領官邸「青瓦台」から、約5キロ南の竜山(ヨンサン)地区の国防省庁舎に移転すると発表した。5月10日の政権発足初日から同庁舎で勤務にあたる方針という。 歴代大統領が拠点とした青瓦台は敷地が広大で、大統領執務室が隔絶され「意思疎通の欠如」の象徴となってきた。尹氏は移転により、記者会見が年2、3回にとどまった文在寅(ムン・ジェイン)大統領らとの差別化を図る考え。 尹氏は20日の会見で、閉鎖的な環境に置かれた現在の大統領執務室が「帝王的権力」の象徴になっていると指摘。高額な移転費用の問題もあり慎重な検討を求める声もあるが、「ひとたび青瓦台に入ってしまえば抜け出すのはさらに難しくなる」と理解を求めた。 尹氏は大統領選を通じ、執務室をソウル中心部の光化門(クァンファムン)周辺に移転することを「第1号