ロシアによるウクライナ軍事侵攻から約4カ月。欧州の航空機リース会社がロシアの航空会社に貸し出した機体の多くが今もロシア側に差し押さえられ、取り戻せないでいる。最大100億ドル(約1・3兆円)規模に上るとされる損失を巡り、リース会社と保険会社の間で見解が分かれており、保険金も受け取れない異例の事態が続く。日本企業による航空機リース会社への出資事例は増える傾向にあり、ロシアを舞台にした航空機リース問題の影響が日本にも及んでいる。 回収できず損失発生も英航空情報会社シリウムによると、アエロフロート・ロシア航空をはじめロシアの航空会社が海外から借りていた航空機は2月末時点で515機、資産価値はおよそ100億ドルに上る。現在も大半が回収できていないままとみられる。 英航空コンサルタント会社IBAなどによると、ロシア向けリースが最も多いのはアイルランドのエアキャップで2月下旬時点で152機。日本企業で