厚生労働省が6日発表した7月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)で、物価上昇を考慮した実質賃金は前年同月比1・3%減と4カ月連続マイナスだった。賃金自体は堅調に伸びているにもかかわらず、急速な円安に伴う物価上昇の速度に追い付かない。1ドル=140円の円安水準が続けば今年度の家計負担は前年度比7万8千円程度増えると試算され、個人消費への逆風が強まる。 一人当たりの現金給与総額(名目賃金)は1・8%増の37万7809円で、7カ月連続のプラスだった。このうち基本給に当たる所定内給与は1・2%増の24万9813円、残業代に当たる所定外給与は4・7%増の1万8961円と、新型コロナウイルス禍からの回復を受け賃金は伸びた。 だが、インフレのペースが賃上げを上回る。実質賃金算出の指標となる生活実感に近い物価上昇率(持ち家の家賃換算分を除く総合指数)は3・1%で、4カ月連続で3%前後に上る。