香港の小中学校や高校で最近、「習近平国家主席の手紙を学習する運動」という名の愛国主義キャンペーンが展開されている。中国の歴史や文化への理解を深め、愛国心を一層強化することが目的だ。「共産党が支配する中国は素晴らしい」という青少年に対する洗脳教育を通じて、数年前の反中デモの再来を未然に防ぐことが狙いのようだ。 6月、香港にある中高一貫の名門校、培僑高校の1年生の生徒たちが授業の一環として習近平国家主席に手紙を出したことがきっかけだった。生徒たちは手紙の中で近年、中国の経済発展と社会の安定を絶賛した上で「祖国はすでに強盛になったことを誇りに思う。私たちは引き続き、香港をさらに繁栄させていきたい」との決意を表明した。 数週間後、同校に習氏が自ら書いた返信が届いた。200字余りの短い内容で、「何千冊もの本を読み、何千キロもの距離を旅して、祖国の歴史、文化、現状を深く理解し、学業を積み重ね、愛国心を