タグ

2023年11月24日のブックマーク (6件)

  • 中東紛争泥沼化で漁夫の利狙う中国 矢板明夫 - 月刊正論オンライン

    (月刊「正論」12月号より) 十月七日、イスラム原理主義組織ハマスがイスラエルに対して大規模なテロ攻撃を仕掛けました。それに先立って中国では杭州アジア大会が開かれましたが、九月の開会式の際にイスラエルの隣国シリアのアサド大統領が訪中し、習近平総書記と会談しています。アサド氏が帰国してほどなくハマスによるテロが始まったわけで、何か関連があったのでしょうか。 さかのぼれば昨年二月、ロシアによるウクライナ侵略の直前に、プーチン露大統領は訪中し習氏と会談しています。さらには一昨年二月にミャンマーでクーデターが起きましたが、同年一月には王毅外相がミャンマーを訪問し、なぜか同国の国軍司令官とも会談していました。現在、世界は自由・民主主義陣営と専制主義陣営に完全に二分されていますが、どうも両者の衝突のあるところ、中国が後ろで糸を引いていると言わざるを得ません。専制主義陣営の勢力は何か行動を起こす前に中国

    中東紛争泥沼化で漁夫の利狙う中国 矢板明夫 - 月刊正論オンライン
  • 【中華考現学】「反日迷惑動画」拡散の背景 - 月刊正論オンライン

    (月刊「正論」11月号から) 中国人の男が日の街角で老人にたどたどしい日語で声をかける。「すいません。質問していいですか? 核汚染水について知っていますか?」。老人は「汚染水ではない、処理して危険もないのに(中国では)危険だと言っている。あなたどこの人?」と返答、男が「中国人」と言うと、「日から出ていって。なんで日にいるの?」と叱る老人に対し「あなた失礼だよ」と口論になる。メガネをかけた若いこの男は最後に中国語で「兄弟たち、国外でこういう状況に遭っても恐れてはいけない。弱いやつほどいじめようとする。だが我々の背後には強力な祖国があるのだ」と語る。 こんな動画が、東京電力福島第一原発の処理水海洋放出開始後、次々と中国のネットに投稿されている。別の動画は、中国人の若い男が「東京の近く」という砂浜で(処理水放出から)「わずか一週間で透明だった海水が真っ黒になった」としているが、明らかに光

    【中華考現学】「反日迷惑動画」拡散の背景 - 月刊正論オンライン
  • 【アイラブNY】大統領に「待った」をかけた州

    2020年米大統領選の取材で出張した地方の空港で係員に身分証の提示を求められたことがあった。国務省発行の記者証を見せたが、「政府レベルでないとダメ」と却下され、呆然(ぼうぜん)とした。有効例として示されたのは、国務省などの「連邦政府」ではなく、日でなじみの薄い「州政府」発行の運転免許証だった。 これを機に、「州政府は連邦政府の下部単位ではない」と米国の統治の仕組みを解説した政府機関「アメリカンセンター」の記事を読み、米国政治での州の地位の高さを知ったのだが、それを実感するニュースが最近あった。 東部ニューハンプシャー州が24年11月大統領選の民主党候補を選ぶ予備選を同年1月23日に実施すると発表。バイデン大統領の提案をきっかけに、「党候補指名争いの初戦を2月3日の南部サウスカロライナ州の予備選とする」とした民主党全国委員会の決議を無視し前倒ししたのだという。 バイデン氏が初戦にサウスカロ

    【アイラブNY】大統領に「待った」をかけた州
  • 【主張】歌舞伎立て直し 新たな息吹に期待したい

    伝統ある歌舞伎界を揺るがした前代未聞の事件である。 両親への自殺幇助(ほうじょ)罪に問われた、歌舞伎俳優、市川猿之助被告への懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が確定した。 歌舞伎の興行は低迷している。新型コロナウイルス禍の影響も大きかったが、ファンの高齢化など課題も多い。その中で「客を呼べる役者」の一人だった元被告の事件は大きな痛手だった。 罪は重いが、一方でその才能を惜しむ声もある。人も裁判で歌舞伎への思いをにじませた。復帰ありきであってはならないが、まずは真摯(しんし)に罪と向き合い、時間をかけて世に問うことから始めてほしい。 歌舞伎に限らず、コロナ禍中ではあらゆるエンターテインメントが興行中止に追い込まれた。ようやく復活の兆しが見えたのは昨年あたりからだ。 ぴあ総研の発表によると、令和4年のライブ・エンターテインメント市場はコロナ禍前の平成31・令和元年の約9割、5652億円まで回復

    【主張】歌舞伎立て直し 新たな息吹に期待したい
  • 【主張】ガザ戦闘休止合意 ハマスは全人質の解放を

    イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスが、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を4日間休止し、ハマスが拘束する人質の女性や子供50人を解放することで合意した。 ハマスの奇襲攻撃に端を発した戦闘開始以来、休止の合意は初めてだ。合意が着実に履行されることを見届けたい。 ハマスが人質をとったのは明確な国際人道法違反だ。残る全ての人質も速やかに解放しなければならない。 ハマスによると、イスラエルは拘束しているパレスチナ人の未成年者ら150人の釈放にも合意した。イスラエルは、ハマスが人質を追加で10人解放するごとに、さらに1日ずつ戦闘を休止するとも表明した。人質は230人以上おり、半数以上が外国籍保有者とされる。仲介は米国、カタール、エジプトが担った。 今回の戦闘休止を機に、ガザ地区への人道支援が進められなければならない。支援が行き届かずに、救えたはずの命が失われてきた。関係各国や国際機関などは努力してほし

    【主張】ガザ戦闘休止合意 ハマスは全人質の解放を
  • 【東京特派員】明治の空気に触れる試み 湯浅博

    東南アジア研究が専門の慶応大学名誉教授が三味線と長唄を織り込みつつ講演会を粋の世界に誘っていた。お題は「明治時代の『空気』に触れる試み」。日国史学会の会員を相手に大津絵節の黒船来航や鉄道唱歌までお披露目した。 小唄ファンの筆者は、講演を収録したDVDを見ながら、思わず拍手を送ってしまった。演者の野村亨さん(71)は「楽しくなければ学問じゃない」とばかり落語、漫談調で会員たちを引き込んでいく。 いったい明治の庶民生活の空気感とはどんなだったか。野村さんは12歳まで同居していた祖母、友山ふくから聞いた口頭伝承を「疑似オーラルヒストリー」として再現していく。一般に近現代史のオーラルヒストリーは、政治指導者からの口述記録が多い。いわば上部構造の歴史で庶民の時代感覚にまでは及ばない。 歴史を動かす人々の考えと、それを見つめる庶民の肌感覚は違う。どうやらこれが、三味線と長唄を巧みに操る野村先生の問題

    【東京特派員】明治の空気に触れる試み 湯浅博