第39回正論大賞(フジサンケイグループ主催)を受賞した麗澤大学客員教授で情報史学研究家の江崎道朗氏が4日に東京都内で行った記念講演の主な内容は次の通り。 ◇ 日本にとって中国の台頭は一番の問題だ。習近平国家主席の下で、インド太平洋、アジアを自国の影響下に置く「一帯一路」構想が打ち出された。戦略を持たない日本が経済力も失っていった30年間、中国は経済成長を軍事、外交と連動させてきた。 中国だけではない。日本はロシアや北朝鮮にも直面している。国内の破壊工作や天災といった脅威もある。これらの問題にどう立ち向かうかが、わが国の最大の課題だ。 こうした問題意識の下、第2次安倍(晋三)政権は、課題に対処する国家戦略を策定する前提としてまずは経済立て直しを図った。若い人が就職もできない中、自衛隊だけ強くしても国は守れないとの発想だった。 安倍政権下で決定されたわが国初の基本方針「国家安全保障戦略」は、官