「核」論 [著]武田徹 [掲載]週刊朝日2007年04月27日号 [評者]永江朗 ■原発事故隠し 原子力発電所の事故隠しが次々と明らかになっている。東京電力福島第一原発三号機は78年に臨界状態に達していたのに隠蔽。同四号機は98年に制御棒脱落、これも隠蔽。北陸電力志賀原発では99年に制御棒が外れて臨界事故、これも隠蔽。電力12社のトラブル隠しは306事案、1万件。そのうち原発では97事案455件もあるという。 ひどい。本当にひどい。だが、もっとひどいのは、これを大きく報じないメディアであり、騒がない私たちだと思う。テレビの「あるある」捏造ではあんなに大騒ぎして、今では他局の番組まで巻き込んでいるというのに。バラエティ番組の捏造などどうでもいい、とは言わないが、少なくとも納豆の食べ過ぎより原発事故のほうがはるかに危なくないか? どうしてメディアはもっと騒がない? 電力会社にキ×タマ(一字自主