3月29日、安保法制が施行された。抑止において、安保法制はどれほど有効なのか? そして、日本がこれからとるべき戦略とは? 元防衛官僚の柳澤協二氏、安全保障が専門である植木千可子氏、東京財団研究員の小原凡司氏が語り合う。NHK出版新書特別セミナー2015年12月18日(金)三省堂書店神保町本店2階特設会場「『抑止力』幻想と東アジア安全保障の実際」より抄録。(構成/山本菜々子) 安保法制4つの疑問 柳澤 本日は植木さんと小原さんのお二人に来ていただき、今後の「抑止力」と東アジア情勢についてお話できればと考えております。まず、私から今回の安保法制について問題提起をさせてください。 私が安保法制に賛成できない理由はいくつかあります。 1点目は、抑止論についてです。安倍総理は、「この法案でアメリカの船を護ることにより一体化が明らかに示され、抑止力が高まるから戦争になることがない」と言っています。 で
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