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テレビに関するko_chanのブックマーク (12)

  • 坂元裕二『anone』5話 - 青春ゾンビ

    とうとう周回遅れである。つい不満のほうに筆が走ってしまうので、何度も書き直してしまうのだ。たとえば、序盤で繰り広げられた「すれ違いコント」に、ナレーションによる状況説明が挿入されていたのには、たまらなく暗澹たる想いに駆られた。"すれ違っていますよ"と明け透けに説明してしまうことで、あの場で巻き起こるズレのおかしみは半減してしまう。*1冒頭のプレイバックしかり、ここはもうプロデューサーに腹を括って欲しい。 何もできなくていいの その人を想うだけでいいの その人を想いながら、ここにいなさい 「危篤状態の彦星の回復を願い、病院の前に一晩中立ち続ける」という描写にも首を捻ってしまった。祈りが通じる。その感動はわかるのだが、あまりにもスポ根でベタではないだろうか。危篤の彦星(清水尋也)を置いて、BMWに乗って1年前から予約していたレストランへと事へと向かう家族を、責めるような描写もいささか息苦しい

    坂元裕二『anone』5話 - 青春ゾンビ
  • 岡田恵和『ひよっこ』20週目「さて、問題です」 - 青春ゾンビ

    あるど、澄子 おめえにいいこどはある 起ぎるよ そのいいこどっていうのは・・・5分後に始まります さながら預言者のような豊子(藤野涼子)がいる。思わせぶりな台詞の数々に、「なんだ、なんだ?優子に続いて結婚か?」と、澄子(松穂香)のみならず視聴者もソワソワです。翌日の放送にて、豊子のニヤケ面のそのわけが「喜ぶ澄子の姿を想像していたからだった」とわかった時の幸福感ときたら!豊子&澄子、フォーエバーである。 豊子がクイズ番組を勝ち抜き、賞金30万円とハワイ旅行を獲得する。「がんばろうね」「がんばりましょう」と声に出して踏ん張ってきた『ひよっこ』の乙女たち。 きっとあるよいいこと、必ずあるみんなにある、私には分かる という愛子(和久井映見)の無根拠ながら真っ直ぐな励ましも素晴らしかったのだけども、彼女達の”がんばり”が、ついにはっきりとした形で報われた。 がんばってたらいいことあるね たくさん傷

    岡田恵和『ひよっこ』20週目「さて、問題です」 - 青春ゾンビ
  • 大根仁『ハロー張りネズミ』1話 - 青春ゾンビ

    まあ、調査費用はふっかけられるかもしれませんが 何せドブネズミのような連中ですから 片桐(矢島健一)の“ドブネズミのような連中”という言葉に導かれて、スナックのカラオケでTHE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」が流れる。 ドブネズミみたいに美しくなりたい 写真には写らない 美しさがあるから このシーンにおける五郎(瑛太)は、「身体性は甲ヒロトを模しているにも関わらず、節回しは長渕剛」という非常に器用なモノマネを披露している。この理解できる人もそう多くないであろう空滑りしたギャグは、実のところ『ハロー張りネズミ』というドラマのフィーリングを象徴している。この”モノマネ”と甲ヒロトと長渕剛が混ざり合った”2人で1つ”という感覚は、1話そのものだ。川田(伊藤淳史)からの「”死んだ娘は生きている”という瀕死のについた嘘を当にする為に、娘に似た少女を見つけてきて欲しい」という依頼を受

    大根仁『ハロー張りネズミ』1話 - 青春ゾンビ
  • 岡田恵和『ひよっこ』17週目「運命のひと」 - 青春ゾンビ

    NHKの連続テレビ小説『ひよっこ』が俄然おもしろい。あかね荘編がスタートしてからも、個性豊かな登場人物らはみな一様に愛おしく、宗男おじさんとビートルズ来日、乙女寮同窓会、みね子の初恋・・・などなどずーっと良質なおもしろさをキープしております。とりわけ17週「運命のひと」のエモーショナルさときたら! まず、それまで視聴者を胸キュン地獄に陥れていたみね子(有村架純)と島谷(竹内涼真)の初々しい恋があっけなく終わってしまう。家柄が著しく異なる2人。御曹司の島谷は家を捨て、みね子と結ばれたいと願う。まさに古典的ラブストーリー。しかし、『ひよっこ』はセオリーを踏まない。みね子は島谷を”ひよっこ”であると叱責し、彼の為を思い、別れを選択する。キャラクターの人の良さとほのぼのとした演出に惑わされてしまうが、『ひよっこ』という物語における主人公みね子の境遇はなかなかに過酷だ。父親が行方不明になり家計を支え

    岡田恵和『ひよっこ』17週目「運命のひと」 - 青春ゾンビ
  • 「お笑いビッグ3」タモリだけがうまく生きている「これだけの理由」(週刊現代) @gendai_biz

    いつも飄々として楽しそう。でも正直、何を考えているのかよく分からない。すべてをさらけださない。いつの間にかお笑いという枠からも外れて、独自の道を歩く。そんなタモリがうらやましい。 好きなことだけやる 作家の吉行淳之介氏は、かつてタモリを評してこう言っている。 「ああいうタイプの人というのは、過去だれかいましたか。いたでしょうかね。ああいうの。いや、お笑いタレントというのでもない。『芸人』という感じでもないね。なんだろうね、あれは」 タモリ(71歳)は、つかみどころのない人である。でもなぜか「あんなふうに生きられたら楽しそうだな」「幸せそうだな」と思わせる不思議な雰囲気を持っている。 長年『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の構成作家を務めてきた鶴間政行氏はこう語る。 「『いいとも!』時代、タモリさんはよく『毎日、新宿のアルタに、午前10時に来て13時半すぎに帰る。その繰り返し。だから俺は新

    「お笑いビッグ3」タモリだけがうまく生きている「これだけの理由」(週刊現代) @gendai_biz
  • 野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』10話 - 青春ゾンビ

    いやはや、10話も面白かったですね。輪ゴムからコンドームを連想するガッキ―なんて!セクシー禁止女優の新垣結衣を逆手にとった演出の数々は逆にエッチで大変けしからん。頑なに眼鏡を外さない平匡(星野源)と、おそらくお気に入りであろう白い洋服を着てナポリンタンを作るみくり(新垣結衣)には狂気を感じました。 さて、たった1回セックスするやいなや、みくりに対して所有欲が湧いてしまう平匡。リストラ勧告により、自身の安定した収入が危ぶまれるやいないや、家事代行の賃金を払うよりも貯蓄に回したほうが合理的だ、と入籍(結婚)を提案。挙句には料理の感想すら言わなくなってしまう。いや、ひどい。たしかにひどい。あんなにラブラブだったみくりにまで それは好きの搾取です と言われてしまう始末だ。でも、違うでしょう。そう見えてしまうだけなのだ。重要なのは、沼田(古田新太)からリストラを勧告された時に発した平匡の台詞。 籍を

    野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』10話 - 青春ゾンビ
  • 野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』最終話 - 青春ゾンビ

    みくりさんは自分の事を”普通じゃない”と言うが 今更です とっくに知ってました たいしたことじゃありません 僕達は最初から普通じゃなかった という平匡(星野源)の台詞にもあるが、このドラマの登場人物はみな一様に、世間一般で言うところの”普通”に該当しない。故に「普通ならばこうあるべき」というレッテル貼りに苦しみ、傷つけれてきた。男らしくあるべき、いい歳なんだから結婚しなさい、女は子どもを産まなくてはならない、女は若いほうが優れている、愛の対象は異性に向けられるのが普通etc・・・こういった数々のレッテルをユリちゃん(石田ゆり子)は”呪い”と名付け、 そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい と、テレビの前の視聴者に向けて語りかける。このドラマにおける最も感動的なシーンの1つだろう。しかし、”呪縛”という言葉がある通り、逃げても逃げても、へばり付いて離れない呪いというのは往々にして

    野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』最終話 - 青春ゾンビ
  • 坂元裕二『カルテット』8話 - 青春ゾンビ

    またしても心震えるような傑作回である。8話に到達してもなお、坂元裕二のペンが絶好調だ。例えば、「お義母さん!(駆け寄って)野沢菜ふりかけ」というギャグのようなシークエンス1つとっても、真紀(松たか子)にハグを期待してかわされる鏡子(もたいまさこ)に、同じく別れ際にハグをすかされた幹生(宮藤官九郎)の顔がチラつく。こういった些細な書き込みによって、鏡子というキャラクターに「あぁ彼女は幹生の母であるのだな」という実感が宿るのだ。こういった人間の小さな営みを積み重ねることのできる細部の充足こそが、坂元裕二の真骨頂だろう。穴釣り、冷え冷えの便座、穴の空いたストッキングと、今話においても”ドーナッツホール”のモチーフが活き活きと登場し、物語に華を添える。ナポリタンとブラウス、ナポリタンと粉チーズ、と”赤”と”白”の混ざりあいが提示されたり、すずめ(満島ひかり)にチェロを教えたという”白い髭のおじいさ

    坂元裕二『カルテット』8話 - 青春ゾンビ
  • 坂元裕二『カルテット』6話 - 青春ゾンビ

    カルテットメンバーが一斉に介さない。ほとんどの尺を巻夫婦の回想に費やす異色の6話である。『MOTHER』8話における道木仁美(尾野真千子)の回想、『それでも生きてゆく』7話における三崎文哉(風間俊介)の回想など、この手法は坂元裕二作品においてたまに顔を出す大技である。物語の進行を停滞させてまで語らねばならない過去というのは確かにあるのだ。 おそらくデレク・シアンフランス『ブルーバレンタイン』(2010)を意識したと思われる、壊れてしまった夫婦の時間のプレイバック。小さな声で喋る者同士が、その聞き取れなさ故に互いの距離を詰めていく、という実に瑞々しい恋の始まりが記録されている。真紀(松たか子)の好きなピエトロ・マスカーニのオペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』が流れ、幹生(宮藤官九郎)のお薦めの詩集に零れた珈琲が染みている。それを拭き取るための布巾を取りに台所に立った2人がキスをする。まさに

    坂元裕二『カルテット』6話 - 青春ゾンビ
  • ミュージック・ポートレイト「坂元裕二×満島ひかり」 - 青春ゾンビ

    NHKが放送しているトーク番組『ミュージック・ポートレイト』の「夫木聡×満島ひかり 第2夜」ご覧になりましたでしょうか!?夫木聡×満島ひかり?いや、申し訳ない、第2夜に関しては「坂元裕二×満島ひかり」でした。と暴言を吐いてしまうほどに、坂元裕二ひいては満島ひかりファンにとって貴重な言説をこの番組から得る事ができました。これまでも、坂元裕二脚ドラマ『Woman』(2013)の制作記者会見において (坂元裕二と)駆け落ちする覚悟でいます 一生一緒にやっていけたらと思います という力強い言葉を満島ひかりは残しているわけですが、今回はより詳細に坂元裕二と自身の関係性について言葉を紡いでいます。番組内で満島ひかりが、役者としのてターニングポイントに、初のテレビドラマヒロインを務めた『それでも、生きてゆく』(2011)をあげる。 hiko1985.hatenablog.com hiko1985.

    ミュージック・ポートレイト「坂元裕二×満島ひかり」 - 青春ゾンビ
  • 坂元裕二『カルテット』3話 - 青春ゾンビ

    親子でしょ? という岩瀬純(前田旺志郎)の屈託のない問いかけが、世吹すずめ(満島ひかり)に纏わりつく”呪い”をギュっと締めつける。20年以上音信を絶っていた父の危篤。家族の死に目には駆けつけるのがホームドラマの定石、いや、この世界の”常識”のようなものだ。想いを寄せる別府司(松田龍平)との会話がフラッシュバックしたことだろう。 家族のお祝い事なんで帰ります “世界の別府ファミリー”から除外され苦しんでいるで別府すら、家族というフレーズの前にはひれ伏さざるえない。しかし、すずめにとって父はどうしても許すことのできない存在だ。最期の最期で全部をなかったことにして、”いい人”になろうとしている父が許せない。 怒られるかな…ダメかな 家族だから行かなきゃダメかな 行かなきゃ… その零れる小さな叫びを聞き、それまで「病院に行こう」の一点張りであった巻真紀(松たか子)が、ギュっと手を握り、「逃げよう」

    坂元裕二『カルテット』3話 - 青春ゾンビ
  • 坂元裕二『カルテット』2話 - 青春ゾンビ

    言葉と気持ちは違うの! この家森諭高(高橋一生)の叫びがまさにこのドラマの見方を端的に示している。巻真紀(松たか子)が「わたし、弾けない」「無理です、わたし上手く弾けません」などと囁けば、次のカットでは必ずや活き活きとヴァイオリンを演奏する彼女の姿が見られる。喋る言葉が全てではない。人というのは、言葉とは裏腹、その仮面の下にはどんなものが蠢いているかわからない。ドーナッツの穴のように何かが欠けていて、思ったことを上手に言葉にできない不器用な大人達のラブサスペンスである作においてはなおのことだろう。当の”想い”は実に些細な身体の振動やその視線の先に、零れ落ちる。そんな坂元脚のミューズである満島ひかりの繊細な演技に割目せよ。別府司(松田龍平)の『人魚 対 半魚人』のDVDいじりが自分にも回ってくると思って差し出した手の動き(回ってくる前に巻が放り投げてしまう)、別府とベンチに並ぶ時に少し

    坂元裕二『カルテット』2話 - 青春ゾンビ
    ko_chan
    ko_chan 2017/03/04
    規範→空気→同調圧力か。
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