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-批評/考察に関するko_chanのブックマーク (247)

  • 岡田恵和『ひよっこ』20週目「さて、問題です」 - 青春ゾンビ

    あるど、澄子 おめえにいいこどはある 起ぎるよ そのいいこどっていうのは・・・5分後に始まります さながら預言者のような豊子(藤野涼子)がいる。思わせぶりな台詞の数々に、「なんだ、なんだ?優子に続いて結婚か?」と、澄子(松穂香)のみならず視聴者もソワソワです。翌日の放送にて、豊子のニヤケ面のそのわけが「喜ぶ澄子の姿を想像していたからだった」とわかった時の幸福感ときたら!豊子&澄子、フォーエバーである。 豊子がクイズ番組を勝ち抜き、賞金30万円とハワイ旅行を獲得する。「がんばろうね」「がんばりましょう」と声に出して踏ん張ってきた『ひよっこ』の乙女たち。 きっとあるよいいこと、必ずあるみんなにある、私には分かる という愛子(和久井映見)の無根拠ながら真っ直ぐな励ましも素晴らしかったのだけども、彼女達の”がんばり”が、ついにはっきりとした形で報われた。 がんばってたらいいことあるね たくさん傷

    岡田恵和『ひよっこ』20週目「さて、問題です」 - 青春ゾンビ
  • 名ゼリフと名場面で振り返る『ひよっこ』最終回の奇跡 | 文春オンライン

    失踪していた“おとうちゃん”との一連のエピソードに区切りがついてから、みね子の物語にはほとんど幕が閉じかかっていて、終盤の1ヵ月半ほどは、スピンオフ、はたまた長いエピローグのようなものだった。岡田惠和もその事に自覚的で、みね子の人生を題材に漫画を描いている啓輔と祐二の2人の口を借りて、自嘲的につぶやく。 どうも、ここんとこ、ちょっこす中だるみっちゅうか ちょっこ、地味っちゅうか 盛り上がりに欠けっとも そろそろ、新しい恋をした方がいいがんないかとか 豊潤な“余り時間”で描かれた愛すべき脇役たち 挙句、ヒロインみね子に「地味ですみません」とまで言わせてしまう始末。しかし、そこがよかった。ダラっとした感じが視聴の集中力を削いだのは確かなのだけども、その豊潤な“余り時間”でもって、主人公のみならず、脇のキャラクターの生い立ちや仕草を書き込むことが許された。どう考えても物語の筋から外れたそれらの情

    名ゼリフと名場面で振り返る『ひよっこ』最終回の奇跡 | 文春オンライン
  • [映画] ラ・ラ・ランド: 極東ブログ

    『ラ・ラ・ランド』については昨年秋の米国での話題を知っていたわりに見そびれて今さら感があり、こうなるとDVDが出てから見ようかなと思っていた。が、まだ上映館があるので見に行った。さすがにもう観客は枯れていたがその枯れ具合がこの映画にとって、とてもいい感じだった。楽しく、そして少し泣けた。 評価については、もうとやかく言う必要もないだろう。アカデミー賞での椿事も楽しめる逸話になっている。とにかく、つかみの映像が圧倒的だ。あの意気込みで一気に観客を飲ませた。その音楽とダンスとシーンの美しさも圧倒的である。スクリーンセーバーがあれば是非欲しいところ。 ストリーについては、ミュージカルということもあって基単純である。特段に紹介するまでもないだろうが、売れない若い女優と、ジャズに憧れつつ理解されない若い男性の、偶然がやたらと重なる出会いと恋愛の四季、そして別れの予感……といったところ。ただ、最終シ

    [映画] ラ・ラ・ランド: 極東ブログ
    ko_chan
    ko_chan 2017/06/04
    “私たちの現実の理想や愛は実際にはかなうことはなく、その中で時は過ぎ、人生はムーヴオンしていき、回想に変わる。変えるしかない。それを美しくもの悲しく受けとめるのは、生きて老いる感覚”
  • 女が壊れる時と、癒される時……『シークレット・サンシャイン』(2007年、韓国) - Kaiのネタバレ映画館

    2007年 韓国 監督=イ・チャンドン 出演=チョン・ドヨン ソン・ガンホ ここのところ、自己愛の強い(自意識過剰な)女が壊れて暴走する映画ばかり見ているような気がする。 かつて「自分探し」なんてイヤなキーワードが流行ったけれど、一度きりの自分の人生に意味を見いだし、見いだした意味と外部とのギャップに耐えられない。神なき現代において、そんな人は、日だけではなく、韓国にもいるし、たぶん世界中にいるんだろう。 そういう時代に、映画はいかにあるべきなんだろうか。現実を直視し、シリアスドラマであれコメディ仕立てであれ、現代人特有の病のありようを観客につきつけるべきか。それとも、自己愛の強い現代の観客に「それでいいんだよ」と優しく慰めてあげるべきなのか。今年公開の『堂かたつむり』なんて映画は、積極的に「それでいいんだよ」と言ってあげているような映画だ。ヒロインが感じる「自分と外部とのギャップ」が

    女が壊れる時と、癒される時……『シークレット・サンシャイン』(2007年、韓国) - Kaiのネタバレ映画館
  • 【ネタばれあり】映画「シークレット・サンシャイン」レビュー

    想田和弘 @KazuhiroSoda 遅ればせながら観たイ・チャンドン監督『シークレット・サンシャイン』が凄すぎて興奮が冷めやらない。トリアー監督『アンチクライスト』が所詮はキリストの手のひらで遊ぶママゴトのように思えてしまった。 2010-12-30 11:32:01 想田和弘 @KazuhiroSoda 続き)人間が壊れていく過程をこれほど正確に描写した映画を僕はしらない。同時に、理不尽な不幸に見舞われた人間をキリスト教が救えないどころか、更に苦しみの深みに突き落とすしかないことを、鮮やかに証明してしまった。そういう意味で作は人類史に刻印を残す恐るべき傑作である。 2010-12-30 11:38:41

    【ネタばれあり】映画「シークレット・サンシャイン」レビュー
  • こないだ映画をみた シークレット・サンシャイン  秘密にしておいた陽射

    ネタバレします。 ので、まだ観てない人は気をつけて。 から退出するもよし。 今日はシークレット・サンシャイン(原題:밀양 ミリャン)について書こうと思います。 この作品は2007年の韓国映画で(日では2008年公開)、監督は以前このブログでも取りあげたオアシス(原題:오아시스  過去記事)の監督でもあるイ・チャンドンです。 映画の情報→cinematopics(ネタバレだから編先に観て下さいね) っていうか画像かわいいでしょ?このチョン・ドヨン萌えなんですよ(しつこく言うよ)。年上で、ちょっと暗めで・・・。すいません、もういいですね。 はい、というわけでどんな話なのかというと、なかなか一言で紹介するのは難しいんですが、未亡人であるチョン・ドヨン演じるシネが亡き夫の故郷である密陽(ミリャン)へ引っ越しに息子と向かうというのが映画の冒頭部分です。 その際に、車がトラブってレッカー車を呼ぶん

    ko_chan
    ko_chan 2017/04/30
    “息子が殺され、精神的におかしくなっちゃうんですね。ここからのチョン・ドヨンの演技とそれを映すカメラワークが非常に秀逸”
  • 書評習慣 太陽の塔

    森見登美彦といえば、京極夏彦と並んで文芸部でかなりの信奉を集めていた作家である。 好きな作家は? と問われてとりあえず森見登美彦と答えておけば模範回答だった。その他の模範解答としては京極夏彦、森博嗣、伊坂幸太郎、村上春樹なんかがある。売れ筋ではあるんだけど何処かマニアックさがあって、読み易いんだけど何となく他とは違う風格がある。海外文学とか純文学とかには指が動かない、どっぷりマニアックに染まる覚悟があるわけでもない、しかしそんじょそこらの甘っちょろいベストセラーでは満足出来ない、そんな人種が沢山寄り集まってくる文芸部にとってはこれぐらいの文芸部御用達作家が実にピッタリだったんでしょう。 文芸部御用達、という表現がすでにこれらの作家達へのある種の偏見を抱えているわけだけども。 特に森見登美彦という作家の独自の位置付け……自意識過剰のくせに対人恐怖症、そんな面倒臭い大学の男子文芸部員から決定

  • 新聞の短い書評が『けものフレンズ』の本質をズバリと見事に突いていると話題に!

    SG♂ @sug_gir_hana117 ↓RT えっ、けものフレンズちそんな話なん!? 私いつも寝落ち誘発されて1話すら見れてないのに…(`・ω・´) 2017-03-21 13:57:51

    新聞の短い書評が『けものフレンズ』の本質をズバリと見事に突いていると話題に!
  • 坂元裕二『カルテット』最終話 - 青春ゾンビ

    『カルテット』がついに終わってしまった。なんたる幸福な3ヵ月であったことだろうか。坂元裕二の最高傑作か否かという判断は観終えたばかりなので留保するが、間違いなく『それでも、生きてゆく』(2011)、『最高の離婚』(2013)という燦然と輝くマスターピースに肩を並べる作品の誕生である。坂元裕二への強烈な愛を叫びながらも、作家としてのピークはもう過ぎてしまったのではないだろうか、と密かに案じていた自身を恥じ、そして喜びたい。『カルテット』ではこれまでの得意技を更に研ぎ澄まし、時代の空気に適応しながら、新しい領域に果敢に突入している。坂元裕二はまだまだ我々の心をおおいに揺らし続けてくれることだろう。さて、最終話ということですが、物語としてのピークは9話で終えていて、まさにエピローグという印象。これまで鳴らしてきたいくつかのテーマを丁寧に再確認しながらも、”永遠に終わらない”という稀有な感覚を画面

    坂元裕二『カルテット』最終話 - 青春ゾンビ
  • 超映画批評「天空の蜂」95点(100点満点中)

    「天空の蜂」95点(100点満点中) 監督:堤幸彦 脚:楠野一郎 出演:江口洋介 仲間由紀恵 木雅弘 社会派テーマとエンタメをハイレベルに両立 私が東野圭吾の同名原作小説を読み衝撃を受けたのは、もう20年近く前になるだろうか。 先日堤幸彦監督に話を聞いた時、彼は「あの小説映画化不可能と言われた理由は、内容があまりに原発業界のタブーに触れていたから」というような事をいった。私が20年前に読了したときに感じたことと全く同じ見解であった。 1995年の夏。福井県の高速増殖炉上空に突如現れた自衛隊の大型無人ヘリがホバリングを開始する。残燃料は8時間分。爆弾を満載したヘリが落ちれば原発は破壊され、日列島は壊滅する。ほどなく犯人は「全原発の即時廃棄」を村山改造内閣へと要求。ヘリに息子が取り残されていることを知った開発者の湯原(江口洋介)は、原発設計士で旧知の三島(木雅弘)らとともに、対策を検

  • 野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』10話 - 青春ゾンビ

    いやはや、10話も面白かったですね。輪ゴムからコンドームを連想するガッキ―なんて!セクシー禁止女優の新垣結衣を逆手にとった演出の数々は逆にエッチで大変けしからん。頑なに眼鏡を外さない平匡(星野源)と、おそらくお気に入りであろう白い洋服を着てナポリンタンを作るみくり(新垣結衣)には狂気を感じました。 さて、たった1回セックスするやいなや、みくりに対して所有欲が湧いてしまう平匡。リストラ勧告により、自身の安定した収入が危ぶまれるやいないや、家事代行の賃金を払うよりも貯蓄に回したほうが合理的だ、と入籍(結婚)を提案。挙句には料理の感想すら言わなくなってしまう。いや、ひどい。たしかにひどい。あんなにラブラブだったみくりにまで それは好きの搾取です と言われてしまう始末だ。でも、違うでしょう。そう見えてしまうだけなのだ。重要なのは、沼田(古田新太)からリストラを勧告された時に発した平匡の台詞。 籍を

    野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』10話 - 青春ゾンビ
  • 野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』1〜9話 - 青春ゾンビ

    このブログをお読み頂いている方ならご承知の事かと思われますが、私、星野源のことが好きで好きで好きでして。好き過ぎるあまりに、彼の主演ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』にしっかり向き合うことができていなかったのです。しかし、それでは歪んだ愛だ。きちんと向き合わねばならぬ。というわけで、意気込んで追っかけ再生、とうとう9話をリアルタイムで観られる所まで辿り着きました。 わけのわからぬ導入、と思われるかもしれない。しかし、この導入に忍びこませた"性的趣向"や"偶像崇拝"といったニュアンスは、この『逃げ恥』という作品において、重要な意味を持つ。上記のセンテンスにおいて、私が星野源に向けている感情は紛れもなく愛だ*1。たとえそれが世間からは風当たりの強い感情だとしても、この世界を生き抜く為に役立つ、強く儚い感情なのである。 みにくいと 秘めた想いは色づき 白鳥は運ぶわ 当たり前を変えながら 恋せずにい

    野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』1〜9話 - 青春ゾンビ
  • 野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』最終話 - 青春ゾンビ

    みくりさんは自分の事を”普通じゃない”と言うが 今更です とっくに知ってました たいしたことじゃありません 僕達は最初から普通じゃなかった という平匡(星野源)の台詞にもあるが、このドラマの登場人物はみな一様に、世間一般で言うところの”普通”に該当しない。故に「普通ならばこうあるべき」というレッテル貼りに苦しみ、傷つけれてきた。男らしくあるべき、いい歳なんだから結婚しなさい、女は子どもを産まなくてはならない、女は若いほうが優れている、愛の対象は異性に向けられるのが普通etc・・・こういった数々のレッテルをユリちゃん(石田ゆり子)は”呪い”と名付け、 そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい と、テレビの前の視聴者に向けて語りかける。このドラマにおける最も感動的なシーンの1つだろう。しかし、”呪縛”という言葉がある通り、逃げても逃げても、へばり付いて離れない呪いというのは往々にして

    野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』最終話 - 青春ゾンビ
  • 黒沢清『クリーピー 偽りの隣人』 - 青春ゾンビ

    黒沢清の待望のサイコスリラー『クリーピー 偽りの隣人』が凄まじい。尋常ならざる建物の画力。線路沿いにしがみつくようにして建っていた『トウキョウソナタ』(2008)の佐々木家のルックも強烈であったが、今作に登場する建物の気配、立地や空間の歪みは、この映画の主役と言っていい。思わずカメラが上昇し(ドローンによる撮影らしい)、その全容を俯瞰で捉えてしまうほどである。中でも最も不穏な質感を放つのが西野家だ。その前に広がる空き地は砂利が敷かれ、用途不明の給水塔がそびえ立っている。「安全第一」のフェンスで囲われ、そこには「立入禁止」のボードも貼られている。ご丁寧に「立ち入るべからず」と警告されているのにも関わらず、その不思議に歪んだ空間が放つ魅力に抗えない人間達が集まってくる。 黒沢清と言えば「揺れるカーテン」というほどに象徴的なその”風”は今作においてもあらゆる空間に吹いている。高倉夫の済む新居の

    黒沢清『クリーピー 偽りの隣人』 - 青春ゾンビ
  • 坂元裕二『カルテット』8話 - 青春ゾンビ

    またしても心震えるような傑作回である。8話に到達してもなお、坂元裕二のペンが絶好調だ。例えば、「お義母さん!(駆け寄って)野沢菜ふりかけ」というギャグのようなシークエンス1つとっても、真紀(松たか子)にハグを期待してかわされる鏡子(もたいまさこ)に、同じく別れ際にハグをすかされた幹生(宮藤官九郎)の顔がチラつく。こういった些細な書き込みによって、鏡子というキャラクターに「あぁ彼女は幹生の母であるのだな」という実感が宿るのだ。こういった人間の小さな営みを積み重ねることのできる細部の充足こそが、坂元裕二の真骨頂だろう。穴釣り、冷え冷えの便座、穴の空いたストッキングと、今話においても”ドーナッツホール”のモチーフが活き活きと登場し、物語に華を添える。ナポリタンとブラウス、ナポリタンと粉チーズ、と”赤”と”白”の混ざりあいが提示されたり、すずめ(満島ひかり)にチェロを教えたという”白い髭のおじいさ

    坂元裕二『カルテット』8話 - 青春ゾンビ
  • 坂元裕二『カルテット』6話 - 青春ゾンビ

    カルテットメンバーが一斉に介さない。ほとんどの尺を巻夫婦の回想に費やす異色の6話である。『MOTHER』8話における道木仁美(尾野真千子)の回想、『それでも生きてゆく』7話における三崎文哉(風間俊介)の回想など、この手法は坂元裕二作品においてたまに顔を出す大技である。物語の進行を停滞させてまで語らねばならない過去というのは確かにあるのだ。 おそらくデレク・シアンフランス『ブルーバレンタイン』(2010)を意識したと思われる、壊れてしまった夫婦の時間のプレイバック。小さな声で喋る者同士が、その聞き取れなさ故に互いの距離を詰めていく、という実に瑞々しい恋の始まりが記録されている。真紀(松たか子)の好きなピエトロ・マスカーニのオペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』が流れ、幹生(宮藤官九郎)のお薦めの詩集に零れた珈琲が染みている。それを拭き取るための布巾を取りに台所に立った2人がキスをする。まさに

    坂元裕二『カルテット』6話 - 青春ゾンビ
  • ミュージック・ポートレイト「坂元裕二×満島ひかり」 - 青春ゾンビ

    NHKが放送しているトーク番組『ミュージック・ポートレイト』の「夫木聡×満島ひかり 第2夜」ご覧になりましたでしょうか!?夫木聡×満島ひかり?いや、申し訳ない、第2夜に関しては「坂元裕二×満島ひかり」でした。と暴言を吐いてしまうほどに、坂元裕二ひいては満島ひかりファンにとって貴重な言説をこの番組から得る事ができました。これまでも、坂元裕二脚ドラマ『Woman』(2013)の制作記者会見において (坂元裕二と)駆け落ちする覚悟でいます 一生一緒にやっていけたらと思います という力強い言葉を満島ひかりは残しているわけですが、今回はより詳細に坂元裕二と自身の関係性について言葉を紡いでいます。番組内で満島ひかりが、役者としのてターニングポイントに、初のテレビドラマヒロインを務めた『それでも、生きてゆく』(2011)をあげる。 hiko1985.hatenablog.com hiko1985.

    ミュージック・ポートレイト「坂元裕二×満島ひかり」 - 青春ゾンビ
  • 坂元裕二『カルテット』5話 - 青春ゾンビ

    30分の放送を経て、やっとのことタイトルバックが現れる。その直前に披露されるのはカルテットによる実に幸福な路上演奏だ。1話のオープニングを思い出したい。路上でチェロを独奏する世吹すずめ(満島ひかり)に足を止めるものはいなかった。誰からも耳を傾けられることのなかったその音色が、彼女の運命共同体であるカルテットとして奏でられると、かくも”世の中”に浸透する。しかし、このシーンがほとんど夢のような鮮度でもって撮られているのが気になる。演奏するカルテットの表情、演奏に手拍子で称える人々。あまりの多幸感に、えもすれば覚めることへの切なさすら伴ってしまう、あの”夢”のような鮮度である。たまたま居合わせたノリのいい外人の煽りを端にして続々と道行く人が集まり、踊り出す。果たして、こんなことありえるだろうか?この過酷な現実においては、路上で無許可で演奏しようものなら、たちまち警察が現れるのではなかったか(3

    坂元裕二『カルテット』5話 - 青春ゾンビ
  • 坂元裕二『カルテット』4話 - 青春ゾンビ

    軽井沢の別荘にゴミが溜まっていく。なるほど、カルテットのメンバーは皆一様にして”捨てられない人”だ。たとえば、すずめ(満島ひかり)ならば同僚からの”出てけ”のメモを引き出しが一杯になるまで溜め続けていたし、巻(松たか子)は失踪した夫の下をそのままの形で保存する。別府(松田龍平)は長年の巻への片想い、家森(高橋一生)は別れた家族への想い、もしくは”アジフライにはソース”というこだわりを捨てられない。この捨てられなさは当然、”呪い”というイメージと結びついていることだろう。捨てられないゴミは腐臭を放ち、別荘の部屋に侵してくる。この”侵入”のイメージが4話のキ―である。ゴミに続いて、半田が、そして鏡子(の眼鏡)が、光太が、茶馬子が、次々に他者が別荘に侵入してくる。これまでカルテット以外に別荘に入ったのは、有朱だけ。しかし、それはすずめのみが在宅中の時であったはず。4人が揃った別荘に他者が侵入

    坂元裕二『カルテット』4話 - 青春ゾンビ
  • 坂元裕二『カルテット』3話 - 青春ゾンビ

    親子でしょ? という岩瀬純(前田旺志郎)の屈託のない問いかけが、世吹すずめ(満島ひかり)に纏わりつく”呪い”をギュっと締めつける。20年以上音信を絶っていた父の危篤。家族の死に目には駆けつけるのがホームドラマの定石、いや、この世界の”常識”のようなものだ。想いを寄せる別府司(松田龍平)との会話がフラッシュバックしたことだろう。 家族のお祝い事なんで帰ります “世界の別府ファミリー”から除外され苦しんでいるで別府すら、家族というフレーズの前にはひれ伏さざるえない。しかし、すずめにとって父はどうしても許すことのできない存在だ。最期の最期で全部をなかったことにして、”いい人”になろうとしている父が許せない。 怒られるかな…ダメかな 家族だから行かなきゃダメかな 行かなきゃ… その零れる小さな叫びを聞き、それまで「病院に行こう」の一点張りであった巻真紀(松たか子)が、ギュっと手を握り、「逃げよう」

    坂元裕二『カルテット』3話 - 青春ゾンビ