映画館でスクリーンの前に立って客席を見渡すミア(エマ・ストーン)のモラル(ひいてはチャゼルの映画愛)を責めたてるのは簡単なわけだけども、それよりも映画の光を文字通り身体に浴びたミアが、上映が中断された『理由なき反抗』のシーンを引き継ぎ、天文台に登っていくという演出のひらめきを支持したい気持ちが強い。ミュージカル映画、もしくはアメリカ映画の復興と未来を俺が引き受ける、というのを最高にロマンチックにやってのけたチャゼルの映画愛は当然ほんものだ。 期待値が上がりきってしまっていた分、その稚拙なあらすじ運びには驚いてしまったのも事実(ミュージカルシーンも、もっと良くてもいいはず、と思う)。しかし、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンの組み合わせがとびきり好きだからか何なのか、とにかく今作の肩を持ちたい気持ちに駆られてしまう。物語は確かに整合さに欠く。しかし、そういった”律”からの解放が故に、この映
![デミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』 - 青春ゾンビ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a409a2293bb0498e4d0a4d19276e46dc7967193d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fh%2Fhiko1985%2F20170228%2F20170228144659.jpg)