ロシアの通貨ルーブルが暴落に見舞われ、ロシア中央銀行は大幅な利上げを行った。ルーブルが売られた背景やロシア経済、さらには世界経済への影響について考えてみよう。 ルーブルの対ドルレートは、1年前に1ドル=35ルーブル程度だったのが、9月頃からじりじりとルーブル安になり、12月に入ると50ルーブル台、15日には60ルーブルを超え、16日は一時79ルーブルまで急落した。ルーブル防衛のために、ロシア中銀は政策金利を10・5%から17%へと大幅に引き上げた。 旧ソ連崩壊後、今回のルーブル危機は、1998年と2008年に続く3回目のものだ。過去の通貨危機と同じように、今回も原油価格の下落が引き金だ。ロシア経済は原油輸出に依存しているので、原油価格が低下すると失速する。原油価格が1バレル=60ドルになると、来年のロシア経済の成長率はマイナス4・5%程度になると予測されている。 ロシアが西側からの経済制裁