チュニジア、エジプト、リビアと革命が続く中東。今でも毎日のように、テロや紛争のニュース が絶えません。なぜ中東では革命や政変がこんなに起こるのでしょうか。民衆による抵抗運動が内戦にまで発展してしまったシリアは、エジプトやチュニジアとは何が違うのか。中東研究家の尚子先生がわかりやすく説明します。 シリアもエジプトやチュニジアのように、「アラブの春」と呼ばれる民衆による抵抗運動が発生した国の一つですが、エジプトやチュニジアとは異なり、抵抗運動が内戦にまで発展してしまいました。なぜ、そして、どのようにして内戦へと発展したのでしょうか? 今回は内戦へと発展した経緯を振りかえり、シリア政権や抵抗運動の特徴を踏まえることによって、内戦が解決しない理由を探ってみたいと思います。 民衆の抵抗運動はなぜ「内戦」に発展したのか シリアにおける抵抗運動は2011年3月に始まりました。エジプトやチュニジアのように