東北大学は、北海道大学電子科学研究所附属グリーンナノテクノロジー研究センターの海住英生准教授、西井準治教授、同大学院工学研究院の長浜太郎准教授、島田敏宏教授らが、東北大学多元物質科学研究所の北上修教授、ブラウン大学物理学科のシャオ・ガン教授と共同で、新現象である「逆磁気キャパシタンス(iTMC)効果」を発見したことを発表した。この成果は1日、英国のオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に掲載された。 電子の持つ電荷(電気量)とスピン(電子の回転に相当するもの)の2つの性質を利用するスピントロニクスは、次世代のエレクトロニクスとして注目を集めている。なかでも、ふたつの磁性層(磁気を帯びた層)の間に薄い絶縁層を挟んだ磁気トンネル接合は、室温でも大きな磁気キャパシタンス(TMC)効果を示すことから、世界中で研究が盛んになっている。TMC効果とは、2つの磁性層の磁化(磁石として