コロナ禍で増加し、社会問題となっているカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)。労災認定の基準に加わると見られ、人事部門も向かい合わなくてはいけない課題となる。カスハラが多様化、深刻化する背景には何があるのか。公益社団法人消費者関連専門家会議(ACAP)の齊木茂人専務理事に聞く。(写真:稲垣純也) 今後、労災認定の基準にカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)が加わることになるそうですね。 齊木茂人氏(以下、齊木):2023年7月4日に厚生労働省が発表した「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書では、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」いわゆるカスタマーハラスメントを、精神障害の労災認定の基準に加える方針が盛り込まれています。これを受けて厚労省は今年の秋までに基準を改定すると見られています。 2018年に労働施策総合推進法等が改正され、パワーハラスメント(