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ブックマーク / blog.livedoor.jp/route408 (7)

  • 赤はなぜ色褪せるのか

    9月6 赤はなぜ色褪せるのか カテゴリ:有機化学構造 街を歩いていると、色あせた古い標識を見かけることがあります。 この標識は来鮮やかな赤色の矢印なのですが、ご覧の通りかなり褪色して薄いピンクのような色合いになっています。これに対し、国道のおにぎりマークや縁取りの青はまだ鮮やかさを保っています。このタイプの標識は、1995年から設置されるようになったものですので、20年ほどで赤だけがずいぶん色褪せてしまっているということになります。 このように、赤色が他の色より褪色しやすいというのは、ちょくちょくみかける現象です。ひどくなると下の写真のように、肝心なところがきれいに抜けて読めなくなったりします。大事なことは赤で書きたくなりますが、時の流れを考えるとあまり得策でないことがわかります。 さて、なぜ赤色はさめてしまいやすいのでしょうか?これは偶然ではなく、それなりの理由があります。まず赤い塗料

    赤はなぜ色褪せるのか
  • 天然に存在した意外なもの(2)

    4月4 天然に存在した意外なもの(2) カテゴリ:有機化学 ということで、以前書いたネタの続きです。 ・珍しい官能基 天然にはずいぶんといろいろな化合物があり、まさかこんな構造は存在してないだろうと思えるものが、ちょくちょく見つかります。たとえば昔は、三重結合は天然物にはないなどと書かれたがあったものですが、今や下図のようなトリイン構造を持つものも見つかっています。どこかに突き刺さりそうな構造ですが、魚毒性があるのだそうです。ichthyothereolという名前ですが、どう発音したものなのかよくわかりません。 ichthyothereol 珍しい官能基としては、アジドを含んだ天然物がひとつだけ見つかっているのだそうです。「たゆたえども沈まず」さんでこれを知った時にはたまげました。非常にレアな構造ですが、いったいどのように生合成されているやら、非常に謎です。 アジドを含む唯一の天然物 同

    天然に存在した意外なもの(2)
    maangie
    maangie 2015/04/05
    “たゆたえども沈まず”
  • 「涙の出ないタマネギ」にイグノーベル賞 : 有機化学美術館・分館

    9月14 「涙の出ないタマネギ」にイグノーベル賞 さて昨日、ハウス品などの研究グループが、イグノーベル化学賞を受賞したというニュースがありました(プレスリリース、PDFファイル)。この賞は「人々を笑わせ、そして考えさせる研究」に対して贈られるもので、今年で23回目となります。トンデモ科学などを揶揄するような授賞もありますが、近年ではユーモアを含んだ研究を顕彰して、科学に対して人々の目を向けさせる意図が強いように思えます。 というわけで今回受賞対象となった研究も、Nature誌に掲載されたほどであり、実に立派な内容です。タマネギを切ると目にしみるのはみなさんご存知と思いますが、この成分はプロパンチアール-S-オキシドという硫黄を含んだ化合物です。催涙性物質というのは(1)揮発しやすい(2)OH基やアミノ基などに結合しやすいといったものが多いのですが、これもまさにそうした構造と見えます。 プ

    「涙の出ないタマネギ」にイグノーベル賞 : 有機化学美術館・分館
    maangie
    maangie 2013/09/15
    これはいい研究。
  • 中国語の化合物名 : 有機化学美術館・分館

    7月18 中国語の化合物名 他のあらゆる業界同様、化学の世界も近年中国の進出が目立っています。で、漢字の国であるかれらはどのような化学用語を使っているの。実は筆者も結構な漢字マニアでありますので、調べてみるとなかなか面白かったりします。 中国では元素ひとつひとつに漢字が当てられているのはわりに有名かと思います。周期表だとこんな感じです。 (クリックで拡大。著作権フリー、持ってけドロボーです。) いや、見てると面白いですね。金銀銅や鉛みたいななじみ深い漢字もありますが、水素や窒素、酸素なんかはどうしちゃったのあなたという字に化けています。イットリウムとガドリニウムは間違えそうだなあとか、タリウムとジスプロシウムはどこかで見たことある字だなとか、いろいろ面白い。このような次第で、周期表が1ツイートに丸ごと収まってしまいます。漢字の力を感じますね。 文字の作りとしては、いわゆる形声文字になってい

    中国語の化合物名 : 有機化学美術館・分館
    maangie
    maangie 2013/06/07
    これ全部簡体字なのかな…。簡体な感じがぜんぜんしない。まあ、当たり前か…。
  • コンクラーヴェと化学 : 有機化学美術館・分館

    3月16 コンクラーヴェと化学 さて先日、コンクラーヴェ(教皇選挙)にて新しい教皇が選出されました。筆者はクリスチャンではないのですが、歴史の方面のをいま書いているくらいでありますので、このへんのお話も興味を持って見ておりました。第266代教皇の座に就いたのは、アルゼンチン出身のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿。教皇名としては「フランシスコ」を名乗るとのことです。 教皇フランシスコ 今回のコンクラーヴェでは、ちょっとした化学に関する話題がありました。コンクラーヴェでは、世界から枢機卿が集まって閉じこもりっきりで選挙を行い、新教皇が決まるまで投票を繰り返します。で、この投票結果を外部に知らせるとき、煙の色を使うというならわしがあるのです。教皇が決定しなかったら黒い煙、決まったら白い煙を上げることになっています。 教皇未決定を表す黒い煙 で、今回、その煙を作るレシピが公開されました。白い煙は

    コンクラーヴェと化学 : 有機化学美術館・分館
  • 「13年に注目したい水3種」のこと : 有機化学美術館・分館

    1月27 「13年に注目したい水3種」のこと Yahooニュースに、「13年に注目したいミネラル炭酸水、水素水、純銀イオン水」という記事が出ていました。「毎日キレイ」というウェブサイトに出ていた、こちらが元記事のようです。執筆者は、「開運雑誌、ブライダル雑誌の編集者を経て、開運やスピリチュアル、健康、心理学、結婚、民俗学、宗教など、人が豊かにしあわせになるための方法をさまざまな分野に取材・実践する編集&執筆者」である、内山真李氏だそうです。 こちらでは、ミネラル炭酸水・水素水・純銀イオン水という3種の「水」を取り上げ、今年注目の商品として紹介しています。が、ちょっとこれはないと思いますし、何しろYahooニュースに出てしまうと影響力が大きいので、一応及ばずながら警告記事を書いておきます。 1番目の「ミネラル炭酸水」というのは「炭酸水は胃腸の調子をととのえ、ダイエット効果も期待できるほか、血

    maangie
    maangie 2013/02/03
    江本勝。左巻健男。
  • エーテルという言葉 : 有機化学美術館・分館

    1月15 エーテルという言葉 化学用語には、ひとつの言葉でいろいろな意味を指すものが少なくありません。たとえば「ホモ」という言葉は、「同じ」(ホモダイマーなど)、「一炭素多い」(ホモピペラジンなど)、「最高被占軌道」(Highest occupied molecular orbital)と3つの意味を持ちます。 ピペラジン(左)とホモピペラジン(右) 分野によっていろいろな使われ方がされる言葉もあります。「エーテル」などは、ジャンルによってずいぶん意味合いが異なる単語のひとつです。 もともとのエーテル(ether)は、ギリシャ語で「上空の澄んだ空気」を意味する言葉でした。これがアリストテレスにより、第5元素としての意味を付与されます。彼はこの世が火・土・水・風の4元素からできていると考えたのですが、天上界はこれと異なる5つめの元素、すなわちエーテルからできていると主張したのです。 アリスト

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