さて、これからいよいよ靖国問題をめぐって議論が高まっていくことになると思う。おそらく小泉や安倍は、総理大臣の靖国参拝を国民の多数が支持するような方向へと世論を誘導しようとたくらんでいるものと思うが、それを阻止するのもAbEndの重要なテーマの一つだと、勝手に思っている。 先週末に読んだ、読売新聞会長・主筆の渡邉恒雄と、朝日新聞論説主幹の若宮啓文の対談をまとめた『「靖国」と小泉首相』という本(朝日新聞社、2006年)は、読売新聞と朝日新聞という日本の二大紙の論説の責任者が、靖国神社の問題をどう考えているかを示すと同時に、豊富な傍注や巻末につけられた資料によって、靖国の問題を論じる時に参照することのできる、なかなか良い本だと思う。 もともとこの対談は、朝日新聞社発行の月刊誌「論座」2006年2月号に掲載されたもので、本は、雑誌に掲載されなかった部分も収録して、今年3月に出版されたものだ。 「論