朝日新聞3月24日朝刊より。 蓮池薫さんのロングインタビュー。 −ソウル訪問の印象をつづった「半島へ、ふたたび」(新潮社)を出版されました。韓国への旅を思い立ったのは、なぜ。 「大学で韓国語を教えていて、以前から一度は訪れたいと考えていました。初めて自分の意志で行く外国です。過去の戦争の扱いや歴史・文化の視点から、感じたことを書き、学生に伝えたかった。共通のものさしで南北を比較でき、日本と朝鮮半島の関係も見えるところを訪問しました」 「私の言葉は、北のイントネーション(抑揚)なので、韓国で話すことに抵抗もありました。『スパイを見たら通報を』という看板がある国ですから。自由に話しかけたいと思う一方、警戒されるかなとも。でもソウルは、拉致されていた北朝鮮では『悪の巣窟』と呼ばれ、よもや行けることはないだろうと思っていた。自由の身になって訪問するのは痛快でもありました」 −ソウルで、戦争記念館を