初期の作品を集めた短編集。 イーガンの好きな人にとっては、まあいつもながらのイーガン。 しかし、何というか長編での、次々へとネタを繰り出してくる感を知ってしまっていると、今回の短編集収録作品は、何というかどれもあと一歩物足りない感じもしてしまう。 それから普段のイーガンとはかなり異なる作風の作品もいくつか収められている。 「悪魔の移住」「散骨」「自警団」がそれで、後ろの2つはイーガンのホラー作品である。ホラーに関してはあまりピンと来なかったなあというところ。「悪魔の移住」は、その饒舌な文体がわりと面白かった。 「視覚」は、幽体離脱体験を描いていて、ちょうどこの視覚が入れ替わる実験のニュースを見た頃に読んでいたので、なんかタイムリーな感じがしたw 後半3作品「要塞」「森の奧」「TAP」がいかにもイーガンだなあという感じで、面白かった。 この短編集に入ってる作品は全般的に、科学用語やら何やらの
![グレッグ・イーガン『TAP』 - logical cypher scape2](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/5eb5890480140476c27add4ca5466193bccb7476/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51kBSTyt4DL._SL160_.jpg)