一気に読み進む620枚! 怒濤のように物語が展開していく620枚! この作品は、色々なところで今までの佐藤友哉作品とは異なっており、佐藤友哉の新境地ということができるかもしれない。 しかし、色々なところで今までの佐藤友哉作品との繋がりが、当然ながらある。 何よりこの作品で強調される、主人公の「物語」のなさ。主人公が、死ぬはずだったのに生き残ってしまった者であること。 これは、「鏡家サーガ」であっても、『灰色のダイエットコカコーラ』であっても、『世界の終わりの終わり』であっても共通してきたことだ。 それが、「あの90年代に10代のすべてを消費した作家」の間違いないスタート地点だ。 21世紀を迎えてもなお生き残ってしまった者は、一体どのように生きればいいのか。 そんな奴は死んでしまえと佐藤は言う。しかし死ぬことができなかったのだとも佐藤は言う。 「物語」のなさと絡めて言うのであれば、興味深いの
![佐藤友哉「デンデラ」 - logical cypher scape2](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/fc6631c0438597df70bea37941fa8a00b14acbf2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41aX2XrmLbL._SL160_.jpg)