![Amazon.co.jp: 再分配政策の政治経済学〈1〉日本の社会保障と医療: 権丈善一: 本](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0ec3767d3136f6eddd5f8780e118047f5ae330d0/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fm.media-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51TnA4aZ-ML._SL500_.jpg)
今年のノーベル平和賞は、ムハマド・ユヌスと彼の設立したグラミン銀行に与えられることが決まった。ユヌスはアメリカで経済学の博士号を得て、故国バングラデシュの大学で教えていたが、飢饉に苦しむ農民を救済するため、1983年にグラミン銀行を設立した。その融資は、1人当たり数十ドルから百ドル程度のマイクロファイナンスと呼ばれるものだが、融資残高は57億ドルにも達している。 従来の常識では、バングラデシュのような最貧国で金融を行うことは不可能だと考えられていたが、グラミン銀行は無担保で、年利20%という高金利であるにもかかわらず、返済率は99%だ。そのしくみは、債務者に5人ぐらいのグループを組ませ、共同で返済の連帯責任を負わせるものである。グループのうち、だれかの返済が滞ると、他のメンバーが代わって返済する責任を負い、債務不履行が起こると、そのグループに所属する人は二度と融資してもらえない。しかしち
レギュラシオン理論―経済学の再生 (講談社現代新書) 作者: 山田鋭夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 1993/05メディア: 新書 クリック: 6回この商品を含むブログ (7件) を見る1 資本主義はどうとらえられてきたか 富国とは金銀を豊富に持つ国であるとする重商主義に対し、A・スミスは、富とはふつうの人のふつうの生活にとっての必需品や便益品であり、それが豊かに行き渡っている国こそ豊かな国であるとして、富の考え方を転回。また、そのように生活用品を増大させる原因こそが「分業」であり、それによる生産力の発展であるとする。 ケインズは、政府の経済的役割を重視する視点を開いたが、そこにあるいくつかの新しい着想には、一つは経済における有効需要問題の重要性という観点があり、もう一つは労働市場は他のふつうの商品の市場とは異なる特別のものだという認識がある。また、それらの背後にあるのは、市場という
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私たちはみなそれぞれ内側に隠されたものを持っている。 それを捜し求める機会が十分にないだけなのだ。 自分の可能性限界まで試すことができる環境を作り上げない限り、私たちが自分の内側にあるべきものに気づくことは決してないだろう。 しかし、どこかへ行くかは1人ひとりの人間が責任をもって決定しなければならないことである。 私たちはこの星の航海士や水先案内人のようなものだ。 その自らの役割を真剣に考えるならば、私たちは前もって決めておいた目的地に向かって進むしかないのだ。 ―ムハマド・ユヌス― 1940年、バングラデシュ第二の都市チッタゴン郊外で生まれる。 宝石商の8人兄弟の三男として、中流家庭に育つ。 チッタゴン大学を卒業し、同大学の経済学講師を4年間つとめたのち、フルブライト留学生として渡米。 バンダーブルト大学で経済学の博士号を取得し、中央テネシー州立大学経済学部助教授に就任。 1972年、バ
最近目立ってきた行動経済学への批判。 下にいくつかリンクを張っておく。コメントは後ほど。 A. Rubinstein ttp://arielrubinstein.tau.ac.il/papers/behavioral-economics.pdf ttp://arielrubinstein.tau.ac.il/papers/74.pdf A. Shaked ttp://www.wiwi.uni-bonn.de/shaked/rhetoric Pesendorfer ttp://www.princeton.edu/~pesendor/book-review.pdf Gul&Pesendorfer ttp://www.princeton.edu/~pesendor/mindless.pdf G&Pへのコメント by Bryan Caplan ttp://econlog.econlib.org/a
4日の「効率の高すぎる政府」という記事には、当ブログで最大のリンクが集まった。これはわかる人にわかるようにしか書かなかったので、当ブログの読者のレベルが高いことには驚いた。友人の話によると、霞ヶ関にも読者が多いようだ。ただ、ゲーム理論などの説明が省略されてわかりにくいというコメントもあったので、ちょっと長文になるが、付録として問題を簡単に整理して参考文献やリンクをあげておく。 日本の官民のガバナンスが長期的関係に依存したものだという指摘は、そう新しいものではない。よく日本の銀行は効率が悪いといわれるが、銀行員の数は、邦銀(4大グループ)が2〜3万人なのに比べて、欧米の商業銀行は10万人を超え、邦銀の行員1人あたり資産は外銀の数倍である。それが可能なのは、邦銀が個別プロジェクトのリスクを管理しないで、メインバンクと融資先との長期的関係によってモラル・ハザードを防いできたからだ。「卸し売りの
確率論における有名な極限定理に「大数の法則」というのがあるが、行動ファイナンスの世界では「小数の法則」というのがあるらしいです。確率論で Poisson 分布に収束するための条件を述べた「少数の法則」とも別もの。小数の法則とは「法則」というよりも人間の心理の錯誤のパターンを述べた経験則。 定まった表現があるのかどうかはよく知らないのだけれど、大数の法則を試行回数が小さいときにも成り立つと錯誤してしまうこと、もしくは平均へ回帰する方向の結果を大きく見積もってしまうこと、などの事を指すようです。 たとえば 正常なコインが5回連続表が出たら、次は裏が出るだろうと思ってしまう 3割バッターが3打数ノーヒットだったら、次はヒットを打つ可能性が高いと思ってしまう 年平均4%値上がりする株価が上半期で8%上がってしまったら、下半期は下がるだろうと思ってしまう などが挙げられる。 人はすべて合理的な存在だ
Eric D. Beinhocker, The Origin of Wealth: Evolution, Complexity, and the Radical Remaking of Economics 査読書 (Harvard Business School Press; ASIN: 157851777X ; 2006) 2005/7/24 山形浩生 Executive Summary 本書は、従来型の経済学の限界を指摘したうえで、現在発達しつつある複雑系経済学についてわかりやすくまとめ、それが今後の企業や社会にとって持つ意義をまとめた書物である。 既存経済理論の発達とその限界、そして複雑系経済学の方向性をとりまとめるという点ではよい成果を挙げており、既存経済理論の批判と複雑系経済学の方向性について、進化論的な経済学理解という切り口をつかって枠組みを閉めそうとした点で野心的である。しか
Annals of Economics Mind Games What neuroeconomics tells us about money and the brain. by John Cassidy September 18, 2006 Like many people who have accumulated some savings, I invest in the stock market. Most of my retirement money is invested in mutual funds, but now and again I also buy individual stocks. My holdings include the oil company Royal Dutch Shell, the drug company GlaxoSmithKline, an
経済学者 | 安田洋祐(やすだようすけ) のブログ。久々にデザインを変更しました!(2016年1月28日) 今回と次回は珍しくマクロ経済学系のエントリです。 経済学で大学院まで進んだことのある方なら、まず間違いなく耳にしたことがあるであろう『ルーカス批判』。今日は現代マクロ経済学に絶大なる影響を与え、大きな転換を巻き起こしたこのルーカス批判を、一見何の関係もなさそうなバスケットの3点シュートと関連付けて説明してみようと思います。(「こんなことをやっていないで論文を進めろ!」という至極まともなツッコミが来そうですが「オークション」と「繰り返しゲーム」漬けの生活にも少し飽きたので、ご勘弁を) さて、まずはルーカス批判について辞書的な説明を行います。以下は日経文庫の『経済学用語辞典』からの引用です。 【ルーカス批判】 ルーカスが1976年に公刊された論文"Econometric policy e
経済学者 | 安田洋祐(やすだようすけ) のブログ。久々にデザインを変更しました!(2016年1月28日) 経済学も他の学問同様に様々な専門ジャーナルがあるのですが、二つ飛びぬけて権威の高いジャーナルがあります。それはAmerican Economic Review (AER)とEconometrica(メトリカ)です。前者は全米経済学会が発行する、経済学の世界で最も権威ある総合誌です。分野を問わず理論・実証系の論文を掲載していますが、テクニカルな面が強くなく、現実への示唆が大きい論文が好まれるという特徴があります。後者は理論・計量経済学会が発行する理論中心のジャーナルで、最高峰の理論経済学、または理論計量経済学の論文を掲載しています(あまり数は多くないですが、実証論文も載ります)。理論系の研究者であれば、一度は自分の論文を載せてみたい夢のジャーナルと言えるでしょう。 この権威ある二つのジ
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