ロシアのウクライナ侵攻と日米欧による厳しい制裁で、新型コロナウイルス禍から回復基調にある世界経済に一転してリセッション(景気後退)の可能性が出てきた。貿易の縮小や原油価格の高騰といった制裁の副作用が大きな下押し圧力となるからだ。市場の混乱が広がれば、各国の中央銀行による未曾有の金融緩和で生じた世界的なカネ余り(過剰流動性)相場の軟着陸も難しくなりかねない。 大和証券の阿部健児チーフストラテジストはロシア産原油の禁輸が現実化した場合、米国産標準油種(WTI)は2008年に記録した過去最高値(1バレル=147・27ドル)を更新して「150ドル台に上昇する可能性がある」と指摘する。 ロシアは原油や天然ガスの生産量で世界の1割を超えるエネルギー大国だ。特に欧州連合(EU)は天然ガスの4割をロシアに依存する。ロシアの一部銀行を国際決済ネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から締め出す制裁で
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