夏はラベンダー畑やひまわり畑が一面に広がり、冬には美しい白銀の世界に様変わりする景色が、訪れる人たちの心をつかむ。また、テレビドラマ「北の国から」の舞台としても有名なのが、北海道のほぼ中央に位置する富良野市である。 数年前、インバウンド需要によって日本が沸いた中、ここ富良野も例外ではなかった。2015年には外国人宿泊客の延べ人数が初めて10万人を超え、19年には15万3840人と過去最高を記録。観光客全体でも188万人以上に達した。 ところが、新型コロナウイルスによって、観光バブルは弾ける。20年の観光客数は前年比44%減の約106万人に。人口わずか2万人の町は翻弄され、来訪者によって支えられていた地元の名産品も打撃を受けた。その一つが「ふらのワイン」である。 ふらのワインは、全国でも珍しい自治体運営のワイナリーによって製造・販売されている。ワイナリーは1972年に当時の市長の肝いりで設立