ビール業界を取材するようになって9カ月。体質的にお酒に弱く、以前は乾杯の1杯を口にする程度の縁遠い飲み物だった。担当として腰を据えて関わるようになって注ぎ方による味わいの違いを実感し、目を丸くした。若者を中心としたビール離れが言われて久しいが、復権のカギはこんなところにあるかもしれない。(時事通信経済部 高橋銀太郎) メーカー直営店で、専用のサーバーで注がれるビール【時事通信社】 歯止めかからぬ市場縮小 酒を提供する飲食店などへの営業時間短縮の要請が延長され、人通りが少ない飲食街=2020年12月24日、東京都新宿区【時事通信フォト】 ビールの国内市場は縮小に歯止めがかからない。発泡酒と第三のビールを合わせたビール類の出荷数量は、2005年から17年連続で減少し、21年は前年比約5%減の3億3000万ケース(1ケース=大瓶20本換算)程度だったとみられる。ビール離れの傾向に、新型コロナウイ