オープン化によって生まれた“今そこにある危機” かつてウイルス感染やネットワークへの不正侵入といったセキュリティ犯罪といえば、愉快犯的なものが多かったが、現在では、個人情報や機密情報の漏えいや改ざんなど、企業や社会に甚大な被害を与える脅威となっている。今、特に考えなければならない問題となっているのが、社会インフラや工業プラント、製造現場などを支える制御システムのセキュリティ対策だ。 これまでの制御システムは、クローズドなネットワークの中で運用され、セキュリティ犯罪の直接的な脅威から守られてきた。しかし、ITのオープン化や社会インフラのスマート化といった潮流の中で、制御システムの中にも情報システムと同様のコモディティ化したPCやサーバ、イーサネットなどの標準技術が次々と導入されているのである。 日立製作所 インフラシステム社 制御セキュリティセンタのセンタ長を務める中野利彦氏は、このように警