微生物の働きを活用し有用な物質を効率的につくる技術「バイオファウンドリ」に光が当たってきた。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現が社会課題となる中、二酸化炭素(CO2)排出量が少ない形で、石油化学製品の代替品を生産できる点が注目される。政府支援が充実してきたほか、事業化をにらみスタートアップの動きが活発化する。バイオファウンドリは経済成長とカーボンニュートラルを両立する切り札になるか。(小林健人) AIなどで開発期間短縮 石油化学製品の製造では、原油由来のナフサを高温で分解する工程などで大量のCO2を排出する。業種別の排出量は鉄鋼に次ぐ2位で国内全体の約15%を占める。カーボンニュートラル実現には、石油化学分野でのCO2削減が欠かせず、バイオファウンドリが視線を集める。 以前からバイオを使ったモノづくりでは、有用な物質をつくる機能や、物質の大量生産を可能とする機能を持った