日本が主導した初めての国連安保理決議が全会一致で採択された。北朝鮮ミサイルをめぐる「決議1695」である。当初の構想よりも弱い内容とはなったが、日本が冷徹な国際政治の現場に乗り出した意味合いは大きい。問題はそれに見合う「覚悟」が備わっているかどうかである。 筆者はささやかなメルマガやブログを発信しているが、今回の国連決議の動向については、できるかぎり連日追いかけることにした。日本の政治、外交の大転換といっていい意味合いが込められており、さらには次期政権の行方をも左右する展開になっていると判断したからだ。 これに対して、読者から「毎日のように書くのはいいが、言っていることが首尾一貫していないではないか」といった指摘がいくつか寄せられた。違うように見えるのは当然なのだ。国連安保理を舞台とした最高レベルの神経戦が演じられたのであって、状況はめまぐるしく変化した。それぞれの局面で主張すべき