自分が若い頃に慣れ親しんだ習慣やモノを懐かしむこと、再度購入してしまうことなどを懐古趣味(Retrospective)という。女性よりは男性に強い傾向で、未来志向の逆の行動に見えるのであまり褒められたものではない、ということになっている。筆者自身、自分自身の中にあるこの傾向があまり好きではない。 ただ「単価を高く設定しても確実に売れる」こともあり、歴史的には頻繁に繰り返されてきたマーケティングのひとつだろう。例えば「サンダーバードのコンプリートDVDボックスセットが3万円」のような商品はだいたい2〜3万セットくらいは確実に売れる、と聞いたことがある。 しかし、最近の、特に30代の「一見、懐古趣味に見える消費性向」は、私の年代のそれとはどうやらまったく違うのではないか、と感じている。いつ作られたものかに興味があるわけでもなく、そもそも自分が子供のときに体験しているわけではないのでそれを懐かし