かつて中国で“温州購房団”(=「温州不動産買付団」)と聞けば、泣く子も黙ると言うほどに恐れられる存在だった。後に“温州炒房団”(=「温州不動産投機団」)と呼ばれた彼らは、中国全土の大中都市に集団で乗り込み、手当たり次第に不動産を買い付けたから、彼らが買い付けを行った都市ではオフィスビルやマンションといった不動産の価格が急上昇した。 温州不動産買付団(以下「温州買付団」)が、どこそこの都市で不動産を買い付けたという情報が流れると、不動産価格の高騰に便乗して一儲けしようとする輩が必ず現れて「提灯買い」(=他人の取引をまねして相場をはること)をするので、不動産価格はさらに高騰する。不動産価格が上昇すれば、儲かるのは不動産業者であり、泣きを見るのはマンションを買いたくても買えなくなる庶民である。 不動産投機ブームを生み出す こうした意味合いで、中国の不動産バブルの基礎を作ったのが温州買付団であり、