仏教が誕生した土地でありながら、多くの人がヒンズー教を信じるインド。佐々井秀嶺氏はここで50年以上にわたり仏教の復興に取り組んできた。その運動は、ヒンズー教のカースト制で最下層に位置し、かつて「不可触民」と呼ばれた人々にとって特別な意味を持つ。 中国の台頭などで国際的な存在感が低下しているとも言われる日本。だが、世界で活躍し続けている人物や果敢に世界に打って出る人物もいる。日経ビジネスは2月4日号の特集「世界を動かす日本人50」で、世界を舞台に新たな地平を切り開いている日本人にフォーカスした。特集記事では佐々井氏ら50人を紹介している。 「バンデージ!(ヒンディー語で先生の意味)」。佐々井氏が活動の拠点としているインドの地方都市、ナーグプル。この街を歩けば、多くの人々が親しみを込めて佐々井氏をこう呼び止め、その前に跪いて手を合わせる。 佐々井氏の仏教復興は、インドの人びと、特にヒンズー教の