もしも大連立が実現していたら… (田中 秀征=福山大学教授) 自民・民主の党首会談のテーマとなったことで“大連立”という言葉が耳慣れたものになってきた。 この種の言葉に厳密な定義は必要ないが、議会の第1党と第2党、それも2党で議席の6〜7割を占めてしまうような連立を言っている。9割近くを占めれば、それは“挙国政権”と呼ばれるだろう。 大連立は一時的、臨時的、経過的なもの。ほとんどは国の危機や重大な課題に直面したときに出現する。また、今回のように衆参両院のねじれ現象などの打開策としても現れる。 Aのバスに乗っていた議員が、トンネルを出たらBのバスに乗っていた 2つの大政党の大連立が長続きすることはめったにない。非常事態が去ったり、重大な課題が解決されたり、ねじれが解消可能な国政選挙を迎えれば、当然のように大連立は解除される。 連立のトンネルを抜けて出たときに、両党ともに姿を変え