産業用メカトロニクス機器の不具合解析に従事する筆者の元には、電源を入れたままコネクタを抜き差しする“活線挿抜”が原因で故障した製品がよく持ち込まれる。たとえ機器の設計者が活線挿抜を仕様上「禁止」としていても、現場のユーザーはやむを得ない事情で活線挿抜をしてしまう。設計者もユーザーも、これが故障につながることを認識すべきだ。 →「Wired, Weird」連載一覧 コネクタを抜き差しする前に、「活線挿抜」という言葉を少し考えてほしい。活線挿抜は活線――すなわち通電した状態で、コネクタを挿抜――つまり抜き挿しするという意味である。筆者は基板の不具合解析や修理に従事しているが、活線挿抜が機器の故障の原因になっている事例によく遭遇する。今回は、活線挿抜での3つの故障事例とその対策について説明する。 その前に、そもそもなぜ活線挿抜をするのだろうか? 機器の単純な操作ミスや電気的な知識がない人がする場