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ブックマーク / edn.itmedia.co.jp (106)

  • ジャンクション温度の計算(6)―― 実機のスイッチング素子の温度計算

    ジャンクション温度の計算(6)―― 実機のスイッチング素子の温度計算:中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(最終回)(1/4 ページ) 2016年10月から始まった連載もいよいよ今回で最終回となりました。前回は繰り返しパルス列の温度上昇について説明をしました。その説明を通じてパルス状の損失が発生する実際のスイッチング電源ではスイッチング周期に占める損失発生時間比率(δ)は極めて小さく、1回の繰り返し、つまり2発のパルスによる温度変化を調べれば十分だと分かりました。今回はモデル化された損失波形や実際の損失波形を用いて温度計算を行い実際の温度変動値を評価します。 またダイオードなどで用いられるI2t値、過渡熱抵抗曲線が湾曲する時間領域の温度上昇についても説明します。 多重パルス損失による温度計算 スイッチング電源に使用するMOSFETのチャネル温度のように損失の変動が素子の温度上昇に影響

    ジャンクション温度の計算(6)―― 実機のスイッチング素子の温度計算
  • ジャンクション温度の計算(5)―― 繰り返しパルス列の温度計算

    前回までは各種形状の単パルス損失が発生した時の温度上昇の求め方について技術的な検証を含めて説明してきました。この章の目的は最終的には実機の過渡温度上昇を求めることにありますが実機においては単パルスではなく同じ損失が繰り返し発生します。今回はこの繰り返し損失波形の温度上昇について考えていきます。 繰り返しパルス列の温度計算 市販されている多くのパワーMOSFETのカタログには図1(a)に示すように、「矩形波状、最大損失P、パルス幅tw、周期ts」の繰り返しパルス列が加えられた時の印加時間比率(δ)と熱抵抗Rth(δ)の関係が過渡熱抵抗曲線として表記されています(δ=tw/ts)。 MOSFETの熱等価回路は図1(b)に示すように複数の熱時定数を持つ構造として表現できます。この回路構成はローパスフィルターですのでパルス周期(ts)がカットオフ時定数よりはるかに短い(45°モデルが成立する)場合

    ジャンクション温度の計算(5)―― 繰り返しパルス列の温度計算
  • トップサイド冷却パッケージ採用MOSFET

    オンセミは、トップサイド冷却パッケージを採用したMOSFETデバイスシリーズを発表した。上面にサーマルパッドを設けており、PCBを介さずに直接ヒートシンクに放熱できる。 オンセミは2022年11月、トップサイド冷却パッケージを採用したMOSFETデバイスシリーズを発表した。既にサンプル出荷を開始しており、2023年1月からの量産を予定している。 今回開発したMOSFETは、サイズ5×7mmで、上面に16.5mm2のサーマルパッドを設けた「TCPAK57」パッケージを採用した。PCB(プリント基板)を介さずに、直接ヒートシンクに放熱できる。PCBの両面を使用でき、PCBに入る熱量を減らすことで電力密度が向上する。 RDS値は1mΩ、Qgは65nC RDS(ON)値は1mΩ、Qg(ゲート電荷)が65nCとなっている。電動パワーステアリングやオイルポンプなどの高出力、中出力のモーター制御に適する

    トップサイド冷却パッケージ採用MOSFET
  • 高電力PoE「802.3bt」について知っておきたいこと

    2018年9月に標準化委員会で承認された、新しいPoE(Power over Ethernet)規格「IEEE 802.bt」について、設計者が知っておきたい基事項を紹介する。 2018年9月に承認された「IEEE 802.bt」 Power over Ethernet(PoE:パワーオーバーイーサネット)は、IEEE 802.3afおよびIEEE 802.3at規格によって定義されているネットワーク機能です。PoEを使用すると、イーサネットケーブルにより既存のデータ接続を介してネットワーク機器に電源とデータを同時に供給できるようになります。 さらに2018年9月27日には、IEEE 802.3bt(以下、802.3bt)規格がIEEE-SA標準化委員会で承認され、イーサネットリンクを介して伝送できる電力が大幅に増加しました。稿では、この規格が重要である理由と、この規格がもたらす可能性

    高電力PoE「802.3bt」について知っておきたいこと
  • ワイヤ保護機能付きハイサイドゲートドライバー

    インフィニオン テクノロジーズは2022年9月、ワイヤ保護機能を内蔵した車載向けハイサイドMOSFETゲートドライバー「EiceDRIVER 2ED2410-EM」を発表した。PRO-SIL ISO26262に対応し、バッテリー保護スイッチなど、12Vおよび24Vの自動車アプリケーションに適する。既に、生産を開始している。 ヒューズよりも高速に故障から隔離する EiceDRIVER 2ED2410-EMは、2つの出力チャンネルを備え、コモンドレインまたはコモンソースのバックトゥバックMOSFET構造に対応する。ターンオンおよびターンオフ機能を強化しているため、MOSFET数を拡張して、数百アンペアの電流を管理しつつ、マイクロ秒単位の高速スイッチオフが可能だ。 3つのアナログ測定インタフェースと、4つのコンパレータを搭載し、多彩な要件に柔軟に対応する。例えば、調整可能なワイヤ保護により、ワイ

    ワイヤ保護機能付きハイサイドゲートドライバー
  • 車載機器向け接続検知機能付き高耐圧LDO

    ミネベアミツミは2022年9月、グループ会社のミツミ電機が、車載機器向けの接続検知機能付き高耐圧LDO「MM4007」シリーズを開発したと発表した。外部機器への給電と接続検知の機能を搭載しており、カーナビゲーションなどの車載インフォテインメント機器に適する。同年10月から月産100万個体制で量産を開始し、サンプル単価は100円(税別)となる。 外部機器への給電と接続検知機能を1チップに集約 MM4007シリーズは、用途をアンテナなどの外部接続機器用に特化。LDO、電流検出回路、オープンおよびショートフラグ出力回路を1チップに集積し、安定化電源の供給と接続異常検知機能を提供する。 車載インフォテインメント機器向けの設計により、GPSテレビなどのアンテナ、車載カメラといった外部接続機器へ電力を供給する。高耐圧化したことで、車のバッテリーから直接給電可能で、昇降圧電源がなくても使用できる。 断

    車載機器向け接続検知機能付き高耐圧LDO
  • +175℃動作で低伝導損失の超高速ダイオード

    ビシェイ・インターテクノロジー2022年8月、高速かつ高温動作のダイオード「FRED Pt Gen 5 600V Ultrafastダイオード」4製品を発表した。伝導損失とスイッチング損失性能に優れる。TO-244パッケージで提供を開始しており、量産時の標準納期は40週間となる。 Qrrが260~800nCの4製品をラインアップ 新製品は、2素子カソードコモンタイプの「VS-VS5HD240CW60」「VS-VS5HD300CW60」「VS-VS5HD480CW60」「VS-VS5HD600CW60」で、順電流(IF)はそれぞれ、240A、300A、480A、600Aだ。 伝導損失に加えて逆回復損失も低い。VS-VS5HD240CW60の場合、標準Qrr(逆回復電荷量)が260nC、回復時間が52ナノ秒、VS-VS5HD600CW60の場合、標準Qrrが800nC、回復時間が78ナノ秒と

    +175℃動作で低伝導損失の超高速ダイオード
  • 防水性能と高速伝送を両立したコネクター

    ヨコオは2022年8月、伝送速度10Gビット/秒(USB3.1規格)に対応した「高速伝送・防水小型コネクター」を開発し、サンプル受注を開始した。従来品より実装面積を約50%削減している。生産子会社の東莞友華汽車配件が運営する中国工場で量産する予定だ。過酷な使用環境で用いるPCと、その接続機器での利用を見込む。 細径スプリングコネクターを採用 新製品は、ノートPCとクレードル間、もしくは2-in-1PCのタブレットとキーボード間での使用を想定しており、クレードルまたはキーボード側の「スプリングコネクター(SPC)」と、ノートPCまたはタブレット側の「受けコネクター」で構成する。 SPCの径を従来より約10%細くし、防水機能にOリングではなくポッティングを採用するとともに、通信用SPCEMI(電磁波障害)対応のシールド用SPCで覆った。これらにより、小型ながら、IPX7相当の防水性能と10G

    防水性能と高速伝送を両立したコネクター
  • 次世代車載内装UI向けの静電フィルムセンサー

    航空電子工業は2022年8月、次世代車載内装のUIに適したフィルムセンサーを開発した。静電センサー1枚に非接触センサー、タッチセンサー、感圧センサーを統合している。自動車市場だけでなく、産業機器やスマートホーム市場への展開も見据える。 非接触センサーやタッチセンサー、感圧センサーを1枚に統合 開発したフィルムセンサーは、独自の静電センサー技術と印刷技術を活用し、1枚でジェスチャー、軽タッチ、押し込み操作ができる。センサーパターンにメタルメッシュを採用することで、近接検出範囲は約150mm、ジェスチャー操作範囲は約100mmとした。高感度かつ軽快なタッチ操作や、無段階の圧力検知が可能だ。 静電センサーのみで構成するため、内装機器の開発も自由度が高い。独自の印刷技術により、車内のアームレストやドアトリムなど、さまざまな形状や設置場所に対応する。 ステルス印刷パネルと組み合わせることで、ジェ

    次世代車載内装UI向けの静電フィルムセンサー
  • セキュアNFCタグ向けICチップ

    インフィニオン テクノロジーズは2022年8月、偽造防止に向けて製品の真贋を証明するセキュアNFCタグ向けICチップ「NFC4TC」シリーズの提供を開始した。 NFC4TCシリーズは、共通鍵暗号アルゴリズム「AES-128」を使用したオープンスタンダードのセキュリティアーキテクチャと、DPA(差動電力解析)やDFA(差動故障解析)といった物理攻撃への耐性を備える。 情報提供や顧客分析に活用できる、幅広いメモリオプションを用意 メモリのオプションが304バイトから4Kバイトと幅広く、顧客ブランド固有のランディングページを載せられるため、製品情報の提供や類似品のリスト表示、キャンペーン、イベントへの招待などが可能だ。また、顧客を分析することで、マーケティングにも利用できる。 同社は、ブランド保護用スターターキット「NFC 2Go」の提供も併せて開始した。NFC 2Goには、NFCタグやiOSお

    セキュアNFCタグ向けICチップ
  • 発電効率8.4%の透過型亜酸化銅太陽電池を開発

    東芝は2021年12月、タンデム型太陽電池向けに、発電効率8.4%の透過型亜酸化銅(Cu2O)太陽電池を開発したと発表した。同社によると、世界最高の発電効率だという。 タンデム型太陽電池のトップセルに用いるCu2Oは、Cu2Oの結晶中に生成される酸化銅(CuO)や銅(Cu)などの不純物が、発電効率や光透過性を低下させる原因となっている。 東芝は、Cu2O発電層中の微量な不純物をX線回折法によって検出し、数値化した。そして不純物が最小になる成膜プロセス条件を特定することで、優れた発電特性と光透過性を併せ持つ、透過型Cu2O太陽電池を開発した。 発電効率の試算値が世界最高値を上回る この透過型Cu2O太陽電池を、発電効率25%のシリコン(Si)太陽電池に積層した場合、全体の発電効率が27.4%に達すると試算した。この値は、2021年12月時点でのSi太陽電池の世界最高効率26.7%(同社発表に

    発電効率8.4%の透過型亜酸化銅太陽電池を開発
  • マイコンのI/Oポート1個でバーグラフを制御

    デジタルで数値表示を行う計器類に、アナログ形式の補助ディスプレイとしてLEDバーグラフを用いることがある。複数個のLEDによってバーグラフ表示を行うとすると複数のI/Oポートが必要となり、使用可能なマイクロコントローラーの種類が制限されてしまう。そこで、バーグラフを1個のI/Oポートで駆動する回路を紹介する。 PWM出力を使用しないので、どのようなマイコンでも利用可能 デジタルで数値表示を行う計器類に、アナログ形式の補助ディスプレイが付属しているケースがある。例えば、フルスケールに対する測定値の割合をLEDによって表示するといったものだ。このような表示は、バーグラフと呼ばれる。バーグラフには、状況を直感的に理解しやすいというメリットがある。しかし、通常のマイクロコントローラーを用いた設計では、例えば8セグメントのLEDによってバーグラフ表示を行うとすると、少なくとも8個のI/Oポートが必要

    マイコンのI/Oポート1個でバーグラフを制御
  • 「浮いたインシュレーター」で位置ずれを吸収、堅ろうな設計を可能にするコネクター

    位置ずれを吸収する“フローティングコネクター” 電子機器や電子システムの高性能化と多機能化に伴い、使われる基板の数や、1枚の基板に搭載される部品の数は増加の一途をたどっている。こうした中で、進化しているのがコネクターだ。コネクターは、基板間の安定した確実な接続や、基板の高密度実装に直結する。中でも、ここ数年で市場に登場し、注目を集めているのがフローティングコネクターである。 フローティングコネクターは、“フローティング(浮いている)”という名前の通り、コネクターのインシュレーター部分が、端子に設けた可動バネによって宙に浮いているような構造をしている。ハウジングも内側と外側で独立した機構になっており、外側のハウジングにある可動バネによってコネクターがX/Y/Z方向に動く。これにより、接続した際に位置ずれが生じても、バネによって位置ずれによる誤差を吸収することができる仕組みになっている。 台湾

    「浮いたインシュレーター」で位置ずれを吸収、堅ろうな設計を可能にするコネクター
  • 製造プロセスごとのノイズ耐性の実測実験

    すでにマイコンを使い込まれている上級者向けの技術解説の連載「ハイレベルマイコン講座」。今回は、製造プロセスの異なる複数のマイコンに対して同じ条件でノイズを印加し、どの製造プロセスのマイコンが最もノイズ耐性が高いかを実験、考察してみる。 すでにマイコンを使い込まれている上級者向けの技術解説の連載「ハイレベルマイコン講座」。記事は、2019年11月29日「ハイレベルマイコン講座【EMS対策】(2):最も効果的なノイズ対策がついに判明!? よくあるEMS対策を比較する【実験編】」の続編だ。 前回は、1つのマイコンに対してさまざまなノイズ対策を施し、EMS耐性改善効果の高い対策方法を考察した。今回は、製造プロセスの異なる複数のマイコンに対して同じ条件でノイズを印加し、どの製造プロセスのマイコンが最もノイズ耐性が高いかを実験、考察してみる。 製造プロセスが微細化すると、個々のMOSサイズ*1)が小

    製造プロセスごとのノイズ耐性の実測実験
  • マイコン製品出荷時に実施されているテスト内容

    前回に引き続き、マイコン製品の出荷時にどのようなテストが行われているかを詳しく解説する。 今回は、前回概要を解説した以下のテストについて、具体的な方法と詳細について紹介する。 前回も述べたが、マイコンの出荷テストの具体的な項目や内容はマイコンメーカーの極秘情報なので、公開することができない。また、マイコンメーカーやマイコンごとにさまざまな手法や専門用語が使われているため、用語を統一して一概に説明することもできない。 そこで、記事では前回と同じように、一般的なテスト項目と内容を分かりやすく説明する。専門用語についても、LSIテスター(半導体試験装置)、異物、テストパターンなど、理解しやすい言葉を選んで解説する。 テスト内容の解説に入る前に、マイコンに組み込まれているテスト回路について簡単に説明する。ほとんどのマイコンはテストモードを持っており、その設定方法は各マイコンによって異なり、設計部

    マイコン製品出荷時に実施されているテスト内容
  • マイコン製品における出荷テストとは

    マイコンの出荷テストについて2回に分けて詳しく解説する。1回目の記事では、はじめに「マイコンの故障の定義」「故障モード」、次に製造工程のどのステップでテストが行われているかを説明するために「製造工程(製造フロー)」について説明する。そして最後に「基的なテストの種類」について概要を説明する。 時折、ユーザーからマイコン製品の出荷テストについて質問されることがある。車載(自動車)向けマイコンでは信頼性を確認するために、NDA(Non-Disclosure Agreement:機密保持契約)を締結した上で、製造ラインの詳細情報を必ず提出するのだが、その詳細情報の中には出荷テストの項目が含まれている。また、汎用マイコンでも、採用前の検討段階で出荷テストの内容をチェックし、信頼性を確認するユーザーも多い。 記事では、マイコンの出荷テストについて2回に分けて詳しく解説する。 1回目の記事では、

    マイコン製品における出荷テストとは
  • セラミックキャパシター(7) ―― 使用上の注意点とディレーティング

    前回はセラミックキャパシターの新しい構造について説明しましたが、高周波になるとさまざまな因子が影響しますのでやはり適材適所の使用が重要です。 振り返ればセラミックキャパシターも今回で7回目になります。今回は今までのまとめとして使用上の注意点やディレーティングについて説明したいと思います。 種類2(クラス2、あるいはクラスII)のセラミックキャパシター特有の現象の1つに時間とともに容量が減少するエージング現象があります。この種の誘電体はセラミックキャパシター(2)で説明したように分子構造がわずかに歪み、電荷分布が非対称になっています。このため分子が特定の方向にそろいやすくなり全体として自発分極と呼ばれる強誘電性を示す現象を発生させます。 しかし、このわずかな歪みは周辺の分子から応力を受けることにもなります。ですので時間とともに分極粒界(グレイン)内で特定の方向にそろうことよりも、図1に示すよ

    セラミックキャパシター(7) ―― 使用上の注意点とディレーティング
  • ワインセラー用の海外製電源の修理(後編)

    図2で一次側の整流回路が約28Ωで短絡していた。直列接続のトランジスタが2つとも短絡しているようだ。基板に実装された整流回路の部品をテスターで調べたら整流用のダイオード2個とトランジスタ2個の短絡が確認できた。赤四角で示した残り2個のダイオードも外した方が良かったかもしれない。また基板のハンダ面に『0757-83835908』の基板の番号が読めた。不良部品を外した基板と外した部品の写真を図3に示す。

    ワインセラー用の海外製電源の修理(後編)
  • なぜ? 放置されてしまった低レベルな設計ミス

    ⇒連載「Wired, Weird」バックナンバー 今回は国内大手メーカー製温調器の不具合解析に関する報告だ。今まで多種類の温調器を修理してきたが、過去に修理した温調器の中にも同じ設計ミスが隠れていた。 修理を依頼された温調器の同機種は5回以上修理しているが、通電して動作を確認したら正常だった。カバーを開け過去の修理で不良があった電源基板の電解コンデンサーを確認したが、特に目につく不具合はなかった。顧客から「電解コンデンサーを交換するように」という申し送りがあった。動作は正常で不具合は見当たらないのに「なぜ、このような依頼があるのか」と、少し疑問を感じた。もしかしたら今まで気づいていない不良が隠れているかもしれない。 疑問を感じたので、電源基板に実装されている全ての電解コンデンサーの動作を詳細に確認した。その結果、予想外の設計ミスが見つかった。まずは電源基板のハンダ面の写真を図1に示す。なお

    なぜ? 放置されてしまった低レベルな設計ミス
  • 電解液でひどく腐食した片面基板の修理【後編】

    ⇒連載「Wired, Weird」バックナンバー 電解コンデンサーから強アルカリの電解液が漏れた片面基板の修理の続きを報告する(【前編】はこちらから)。基板の動作確認ができるように体部も一緒に送ってもらった。修理依頼された機器は専用機器のローターを駆動する制御器だった。体の写真を図1に示す。 1980年ごろの標準構成 図1の中央には大きなトランスがあった。ベース部の金属板にはダイオードブリッジとトランジスタが固定され放熱されていた。スイッチング電源は使用せずトランスで制御電源と駆動電源の2つの電圧を生成し、ダイオードブリッジとコンデンサーで整流して、レギュレーターで15Vの電圧を生成していた。この電源構成は1980年ごろの電気製品の標準構成だ。 ノイズが少ないのでアナログ機器には最適な電気設計だった。しかしケースは密閉されていて内部の放熱は考慮されていなかった。 図1左上に赤四角で囲っ

    電解液でひどく腐食した片面基板の修理【後編】