富士通のPC工場、勝利の方程式は「トヨタ生産方式+ICT活用」:小寺信良が見たモノづくりの現場(9)(1/5 ページ) コモディティ化が進むPCで大規模な国内生産を続ける企業がある。富士通のPC生産拠点である島根富士通だ。同社ではトヨタ生産方式を基にした独自の生産方式「富士通生産方式」を確立し、効率的な多品種少量生産を実現しているという。独自のモノづくりを発展させる島根富士通を小寺信良氏が訪問した。 PCはもはやコモディティ化製品の代表例とされるような成熟製品となっている。既に差別化や個性化はそれほど強く求められておらず、常にコスト競争にさらされている厳しい市場環境だ。そのため製造の中心地は、土地代や人件費の安い台湾、中国となり、これらの地域で大量に作られるのが当たり前になっている。 しかしその一方で、ソニーのVAIO製造拠点であるソニー長野ビジネスセンターのように、コモディティ化を避ける