朝鮮戦争の休戦協定締結から67年となった2020年7月27日、故・金日成主席と故・金正日総書記の像を訪れる北朝鮮の人々(写真:AP/アフロ) 筆者はマーケットエコノミストとして多様な情報を収集・分析しつつ、昔からの個人的な関心もあって日ごろ北朝鮮ウオッチをしているのだが、7月は興味深いニュースにいくつか出くわした。 まず、韓国の聯合ニュースが1日に報じた、北朝鮮の人口動態である。国連人口基金(UNFPA)と韓国の人口保健福祉協会が公表した2020年の「世界人口現況報告書」によると、北朝鮮の平均寿命は72歳で、韓国の83歳よりも11年短い。世界平均(73歳)も下回っており、この国では長生きするのが難しいということが、数字で示された。栄養状態が良好ではないこと、医療体制の水準の低さが関係していると推測できるだろう。 また、北朝鮮の合計特殊出生率(15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したも