衆議院選挙はメディアの予測を上回る議席を自民党が獲得した。 早速、岸田文雄政権は「数十兆円規模」の経済対策を、11月中旬の閣議で決定できるように動き出したということだが、「普通に働けば、普通の生活ができる」社会に日本はなるのだろうか。 ご承知のとおり、岸田首相は総裁選の名乗りを上げた当初、「令和版所得倍増計画」「分厚い中間層」という、実に魅力的な言葉を繰り返した。 しかし、選挙戦では「令和版所得倍増計画」という言葉はあまり耳にしなかった。「所得を倍増という意味ではない」という、脳内が「???」だらけになる発言が聞こえてきて、気がつけば「所得拡大」というフレーズに置き変わっている。 選挙前の10月26日には、成長と分配の好循環を通じた中間層の所得拡大に向け「新しい資本主義実現会議」を設置したが、そもそも「中間層」とはいったいどこの、誰を指し、「所得倍増」とはどこの、誰の所得を倍増するのか?