僕たちのアニキが「夜露死苦」とつづった特攻服に身を固めて週末の産業道路を暴走していた時代、家の大黒柱の「オヤジ」たちはデコトラを電飾で派手に飾ってトラック野郎になっていました。 前回も述べましたが、「ワル」の乗る車は世界的に共通して低くて黒い車両です。装飾もできるだけ排除してチャラチャラした感じを払拭し、威圧感をかもし出そうとします。それに対してデコトラは、装飾テンコ盛りを追い求めます。当時のチョイ悪オヤジが駆るトラックが、お神輿や山車のように華やかなお祭り装飾風に美しさを求めたというのは面白い現象でしょう。 日本の美意識のユニークさの1つに「削ぎ落とす美」がよく言われます。ベルサイユ宮殿や紫禁城がデコレーションを塗り固めていった方向性だったのに対して、桂離宮や伊勢神宮の様式美とは、余分なものをそぎ落とす侘び寂びの方向性です。日本ではこのような正統的ハイカルチャーが「削ぐ方向」に進化したの
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