「この寒い日に、うまく施工できるのか。何事もなければいいが……」 2021年冬の某日、花王テクノケミカル研究所の道路プロジェクトメンバー、秋野雄亮(写真右から2番目)は、ウエルシア藤沢用田店の駐車場でアスファルトの敷設工事を緊張の面持ちで見守っていた。 アスファルトは熱で軟らかくなり、冷たくなると固くなる。コントリートに比べて簡単に施工ができるのも、この性質のおかげだ。ただ、気温が低すぎるとならす前に固くなるおそれがある。ウエルシア藤沢用田店は、花王が開発したアスファルト改質剤「ニュートラック 5000」の民間初の導入事例。このイノベーションを普及させるためにも、失敗は許されない。実証実験を重ねて施工のしやすさは確認済みだったが、想定外の冷え込みに一抹の不安を感じたのも無理はなかった。 秋野の不安は、「ニュートラック 5000」に懸ける期待の裏返しでもある。このアスファルト改質剤は、道路や
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