(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授) ベトナムは韓国が結構好きである。「親日の国」と言われていることを否定するつもりなど毛頭ない。だが、肌感覚としては、ベトナムでは日本よりも韓国の方が存在感を増しつつあるような気がする。 この年末年始に現地に滞在している間、私はずっとそう思っていた。 10年前に初めて行ったときには、もうこの国には来ないだろうと思っていた。知り合いもいるし、東南アジアを少しは見ておくのも必要だろうという、そんな小さな義務感に背中を押されて訪れただけだった。 ところが、ベトナムにすっかりはまってしまったのである。それまでテレビや出版物で知っていたものとはまた違う魅力を発見したからだ。その後、1年に一度、そのうち二度も足を運ぶようになり、ノービザで滞在できる15日間をフルに使って短期滞在を繰り返してきた。
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