航空自衛隊が保有するF2戦闘機の後継となる「次期戦闘機(FX)」の開発をめぐり、日英両政府はイギリスの航空・防衛大手「BAEシステムズ」と日本の三菱重工業を主軸とする日英共同開発とする方向で調整に入った。日本の大手メディアが14日、一斉に報じた。日英の両政府筋も筆者の取材に認めた。 戦後日本は日米同盟強化のもと、対米追従路線をひた走ってきただけに、一大国家プロジェクトの次期戦闘機開発で、イギリスとタッグを組むのは極めて異例だ。ましてアメリカは世界最先端の戦闘機技術を有している。 日本を取り巻く安全保障環境が悪化するなか、アメリカ軍と自衛隊の相互運用性の重要性も計り知れない。それでも、なぜ日米共同開発から日英共同開発に事実上の転換をするのか。 日本の「次世代戦闘機」開発の背景 その問いに答える前に、次期戦闘機開発について詳しくない読者も多いと思われるので、簡単にその経緯に触れておきたい。 次