8月下旬に開催されたBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)首脳会議がバックミラーから消えつつある。 それに伴って、幸いなことに、この新興5カ国によって発行される新通貨のかなり非現実的な議論も後退しつつある。 共通通貨の狙いは米ドルの王座を奪うことだった。 米ドルの世界的支配に対する挑戦を観察している政策立案者は、既存の通貨からの現実的な挑戦に目を戻すことができる。 中国人民元がそれだ。 欧州諸国の政府は1960年代以来、ドルが担っている国際的な役割をうらやみ、共通通貨ユーロがそれに取って代わることを期待してきたが、その願いは成就していない。 それに対し、中国による挑戦は急激に現れた。その理由も切迫したもので、米国がドルを兵器化したためだった。 だが、中国は今後、自らの根本的な問題に由来する深刻な困難に直面するだろう。欧州の伝統的な弱点とは異なるが、どちらかと言えばもっと根