ホンダが米ゼネラル・モーターズ(GM)との協業を広げる背景には、電気自動車(EV)戦略で後れを取っているとの危機感がある。欧米の完成車メーカーなどが電動化戦略を積極的に進めている中、ホンダが単独で世界市場を攻めていくのは厳しい状況だ。世界で人気が高い小型スポーツ多目的車(SUV)などの量販に乗り出すにあたり、GMとの提携拡大はコストを抑え、消費者に受け入れられやすい価格のEVの創出につながる。(江上佑美子) EVの大きな課題となっているのが電池だ。EVコストの約4割を占めるとされるが、大幅な引き下げは難しい。ホンダとGMは2024年に北米地域でEVの量販モデル第1弾「プロローグ」などの大型SUV2機種を発売する方針を示している。27年以降に小型SUVを市場投入するにあたり、多くの消費者に受け入れられるためにも、コスト低減は大きな課題となる。 両社はプロローグの共同開発などを通じて培ってきた