フランス人のナターシャは5年前、ドイツで、ドイツ人パートナーと共に子供向けのヘルシーなお菓子や飲料を製造するメーカー「Erdbar」を立ち上げた。会社が軌道に乗り、やっと人を雇えるようになった時のことだ。自分自身が最初の子供を出産したばかりだったこともあり、雇用するなら、子どもを育てている母親を社員として雇いたいと考えた。ドイツの女性が出産後パートタイムになることが多いのは知っていたが、それは仕事が見つからないからだろうと思っていたからだ。 だがその後、ナターシャは意外なことに気付くことになる。「母親たちは職を得ても、『家族のため』といって辞めていきました。これまで私たちの会社を辞めていったのはすべて母親なんです」。フランスでは出産してもすぐにフルタイムの仕事に復帰するのが当たり前だ。ドイツの母親の仕事への姿勢は、ナターシャにはちょっとしたカルチャーショックだった。「これまでドイツの女性が