夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲とした昨年十二月の最高裁判決で、反対意見を述べ、ただ一人、国の賠償責任にまで踏み込んだ山浦善樹(よしき)・元最高裁判事(70)が七月、定年退官した。「憲法の精神は寛容のはず。どうすればみんなが幸せになるかを書いている。名字のことは夫婦で決めればいい。結論はおのずと出ました」。十六日で判決から一年となるのを前に取材に応じ、判断に込めた思いをそう語った。 山浦さんは判決で「別姓禁止は結婚の自由を制約し、違憲だ」との少数意見に賛同。個人の意見として「国会が正当な理由なく立法措置を怠ってきた」と付記し、原告らが受けた精神的苦痛に国家賠償請求を認めるべきだとした。退官後は弁護士として活動している。 憲法公布と同じ年に、長野県の山あいの町で生まれた。ボーボワールの「第二の性」を読んで衝撃を受けた大学時代。弁護士となってからは、離婚やドメスティックバイオレンスに悩む女性
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