名前をめぐる問題は日本にも多々ある。在日韓国人/朝鮮人の通名、選択的夫婦別姓制度の導入検討、外国姓(カタカナ姓)では不動産賃貸を断られるなどだ。いずれも名前が単に個人を特定する記号ではなく、人種、国籍、ジェンダー、文化に深くかかわり、故に偏見を招くものにもなり得るからこそ起こってしまう問題だ。 以下、アメリカの名前事情を考えてみる。一般的にアメリカでの名前の使い方、使われ方は日本に比べるとユルいと言えるが、深いエスニック事情もはらんでいる。 愛称(ニックネーム) まず、アメリカでは愛称(ニックネーム)の使用が浸透している。例えば「マイケル」という名前には「マイク」「ミック」「ミッキー」など多くの定番の愛称がある。 マイケル・ジャクソンは本名で活動したわけだが、親しい人たちからは「マイキー」の愛称で呼ばれることもあった。「ミッキー」もマイケルのニックネームであることから、ミッキー・マウスとマ