By Chris Gladis すべてのヒトの体内には血液が流れており、これは生きるために必要不可欠なものです。この血液の中には血球と呼ばれる赤血球・白血球・血小板からなる物質が存在し、この血球が持つ抗原の違いをもとに分類される「血液の種類」のことを「血液型」と呼びます。この「血液型」という概念はいつ発見され、どれくらい昔から存在するものなのでしょうか。 Why do we have blood types? | Mosaic http://mosaicscience.com/story/why-do-we-have-blood-types 「血液型」という概念は1900年にオーストリアの医学者カール・ラントシュタイナー博士によって発見されました。ラントシュタイナー博士は1901年に血液型に関する論文を発表し、のちの1930年には血液型発見の功績からノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
By Penn State 体や臓器の一部分が欠損した状態で産まれてくる先天性欠損症には、生まれつき手足の一部が欠けてしまっている先天性四肢欠損症や、腰椎の1つが欠けている先天性腰椎欠損症など、多くの症例があります。人間の体の中でも最も重要な器官の1つである脳の先天性欠損症も多数あり、その多くを部分欠損が占めていますが、中国で小脳が完全に欠損している24歳の女性が見つかりました。 Woman of 24 found to have no cerebellum in her brain - health - 10 September 2014 - New Scientist http://www.newscientist.com/article/mg22329861.900-woman-of-24-found-to-have-no-cerebellum-in-her-brain.html 2
がん対策基本法の制定以来、がんの患者さんに対しては、病気そのものの治療とは別に、痛みをコントロールすることの大切さが認識され、痛みに対して積極的な治療が実施されるようになってきました。 痛みに苦しんでいるのはがん患者さんだけではないはずですが、その他の病気では、たとえ激しい痛みであったとしても痛みに対する治療は軽視されていると私は感じています。 そのため、とりわけ原因の特定できない痛み、いわゆる線維筋痛症やCRPS、脊髄損傷後の疼痛、重度の非特異的腰痛などの患者さんは、激痛に苦しみながらもわかってもらえず、どこへ行っても診てもらえないという言わば「痛み難民」となってしまう場合が少なくありません。(1)
抗がん剤で治る確率は5% 2人に1人ががんになる時代である。やがて誰でもがんになる時代がやって来るだろう。あなたががんになったとする。現在、そのがんが原発巣にとどまっているかぎり、治療法として考えられるのが外科手術だ。 ただし、これが転移したりするとやっかいである。外科手術ができないから、あとは抗がん剤となるが、これが問題なのだ。なぜなら、がん種にもよるが、ほとんど役に立たない。抗がん剤で治る可能性はわずか5%なのである。 さらにやっかいなのはその副作用だろう。痛み、発熱、吐き気、嘔吐、しびれ、呼吸困難……。それだけならまだしも、骨髄がやられると白血球や血小板が壊されて死に至ることもある。がんで死んだのか、抗がん剤の副作用で死んだのかわからないことがよくあるのはこういうことである。 薬といえば、ペニシリンのように「治す」というイメージがあるが、少なくとも抗がん剤は私たちの考える「薬」ではな
「三大治療」と呼ばれる手術、抗がん剤、放射線によるがん治療は日進月歩だが、「末期がん患者の8割が改善された」という衝撃の研究結果が発表された別の治療法がある。意外なことにそれは、最新技術とは一切無縁の食事療法だった。 主食のご飯やパン、麺など炭水化物に多く含まれる糖質の摂取量を減らす食事法「糖質制限」は、糖尿病患者などに効果があることで知られるが、がん患者への効果を示すエビデンスはこれまで存在しなかった。 そんな中、糖質の摂取量をゼロに近づける“究極の糖質制限”になると、がん治療にも効果が見られたという臨床研究データが発表された。大腸がんや乳がんなどステージIVの末期がん患者を対象に、世界初の臨床研究を行なったのは多摩南部地域病院外科医の古川健司氏(医学博士)である。古川氏が語る。 「がん細胞は炭水化物から合成されるブドウ糖を栄養源としています。しかも正常細胞の3~8倍のブドウ糖が必要。な
by Caitlin Regan 皮脂や角質が毛穴に詰まることで菌が繁殖し感染症を起こしてしまうことで発生するニキビに悩まされる十代は多いもの。しかし、若い時にニキビに悩まされた人はテロメアが変質し、大人になってから、ニキビに悩まされなかった人よりもシワがすくなく張りがある状態であるという研究結果が発表されました。 Acne and telomere length. A new spectrum between senescence and apoptosis pathways - Journal of Investigative Dermatology http://www.jidonline.org/article/S0022-202X(16)32456-3/abstract Zits in high school may mean youthful looking skin in a
「股のぞき効果」の実証により、日本の研究者が10年連続の受賞を果たした2016年のイグ・ノーベル賞(関連記事)。その他にも変わった研究が取り上げられており、医学部門では「体の右側がかゆいとき、自分を鏡に映して左側をかくとかゆみが和らぐ」というドイツの研究が受賞しています。 実験のもよう。鏡を使ってかゆい右腕と、かゆくない左腕をあべこべにかいてみる 実験は、右腕にかゆみが引き起こされた被験者に対して垂直に鏡を設置し、左腕が右腕のように見える環境を作って実施。この状況下で左腕をかくと、不思議なことに何もしていないはずの右腕のかゆみが和らぐことが明らかになりました。体の右側と左側が入れ替わったように見える鏡の視覚的な効果などが原因と推測されており、この手法は「ミラースクラッチング(Mirror scratching)」と名付けられています。 Christoph Helmchen氏らによる論文には
By Will Keightley 人間の腸内には10兆から100兆ほどの微生物が存在すると言われており、その数は人体の細胞の数37兆個と同等かそれ以上の数と考えられています。科学者は腸内フローラ(腸内細菌叢)がどのような種類の微生物により成り立っているのかを解き明かすために長年研究を続けてきたわけですが、研究から微生物が人間にどのような影響を与えているのかが少しずつ明らかになっています。 How Your Gut Affects Your Mood | FiveThirtyEight http://fivethirtyeight.com/features/gut-week-gut-brain-axis-can-fixing-my-stomach-fix-me/ 近年、人間の腸と腸内の微生物に関する研究が進むにつれて、腸内の微生物は脳とメンタルヘルスにとってとても重要な役割を担っていること
Fitbitのおかげ。世界初、フィットネストラッカーが人命救助2016.04.20 18:308,440 塚本 紺 Fitbit、試してみようかな... フィットネストラッカー、特に必要ないなと思っていますか? 運動するけど、別に消費カロリーとか心拍数とか記録しても仕方ないよね、と思っている人も多いのではないでしょうか。でも良いことだってあるんです。アメリカでは、フィットネストラッカーを通じてスマホに保存されていたデータが救急救命の役に立つという事例が起きてニュースになっています。 ニュージャージー州で42才の男性が脳卒中で救急救命室に運ばれたレポートによると、彼はフィットネストラッカー「Fitbit Charge HR」をしていたそうです。それによって記録されていた心拍数のデータを元に、電気的除細動を行うべきだという判断を医者が下し、男性は無事に回復し自宅へと帰されたとのこと。フィットネ
カゼをひいた、胃が痛い、目が疲れた…そんなとき私たちは「薬」に頼ります。誰もが当たり前に行っている行動にも、実は、デメリットが潜んでいる可能性もあるそうです。宇田川久美子さんの著書『薬を使わない薬剤師の「やめる」健康法』(光文社)より、6つの例を紹介したいと思います。 01. カゼ薬はかえって カゼを長引かせてしまう? 突然ですが、カゼを治す薬はありません。カゼのほとんどはウイルス感染によるものですが、それを退治する薬はないのです。薬に入っている成分はあくまで「咳止め・鼻水止め・熱冷まし」であって、「咳治し・鼻水治し・熱治し」ではありません。カゼを治すのは、私たちに備わった自然治癒力なのです。 そもそも、咳や鼻水は、身体がウイルスを排除しようとして起こる免疫反応ですし、熱が出るのは、ウイルスと闘うのに有利な態勢を整えた結果です。それなのに、無理に止めてしまったら、どうでしょう。ウイルスを身
ウソでしょう? 思わず、そうつぶやきたくなる衝撃的な研究発表が、医学ジャーナルのBritish Medical Journal(BMJ)の最新号に掲載されましたよ。複数の大学教授、医師、腫瘍学者などからなる研究チームがまとめた同発表は、がん検診の精度そのものを疑問視するものではありません。しかしながら、がん検診によって、実際に患者の生存率に変化があるのかどうかは疑問視する内容となっていますね。 例えば、同研究チームは、検診によって大腸がんと診断された患者1万人を、30年間にわたって追跡調査。大腸がんが原因で死亡した患者は128人だったそうです。1万人における大腸がんによる死亡者数は192人ということですから、早期検診は効果があるように見えます。しかし、大腸がん以外の原因も含めると、調査期間中に死亡した人数は7,109人に達していました。早期のがん検診を受けなかった大腸がん患者層1万人に関し
「冷え性は女性のもの」と思っている人は多いだろうが、最近は男性の冷え性も増えている。ニッセンが今年7月に発表した「男女の季節感に関する調査」によると、自分が冷え性だと認識している男性は43%もいるという。またある調査では、男性でも約1割の人が「冷え性を辛い」と感じているようだ。 ◆「足の冷え性」は動脈硬化の恐れあり なかでも「ずっと煙草を吸っていて、なおかつ足が冷える人は危険です」と警鐘を鳴らすのは、「足の診療所」医師・桑原靖院長だ。男性の冷え性の原因は、運動不足による筋肉の衰えやストレス過多、生活習慣病による動脈硬化などが関わっていることが多い。とりわけ高齢者は動脈硬化が進み、血流が悪化すると冷え性が起こることも多いが、この事例は喫煙者にも当てはまる。 「冷え性にはさまざまな原因がありますが、一番怖いのは『動脈硬化で冷える』ものです。冬場には寒さで血管が収縮し、脳梗塞や心筋梗塞で倒れて
意識はあるのに昏睡状態のまま10年間、誰にも伝えられなかった青年…目が覚めた後の衝撃的な告白 マーティンン・ピストリアスさんは病気で昏睡状態になり、意識不明の植物状態となりました。 ところが2年後に意識だけが覚め、しかし体は動かせず、口も利けず、周囲の人に知らせる手立てがない状態となったのです。 そのまま10年間、体の中に閉じ込められました。 Man trapped in coma was AWAKE for 12 years but couldn't move or speak - Mirror Online マーティン・ピストリアスさんは、12歳のときに髄膜炎にかかり、昏睡状態に陥りました。 24歳まで12年間寝たきりだったのですが、2年ほど経ってから(14、5歳のころ)意識だけが覚めたのです。 しかし体は動かせないまま、目は見えても視線を合わせることは不可能。意識が戻ったことを誰にも
部屋の電気が消えたか、消したと記憶しているのにわざわざ確認してしまう。もうきれいな机なのに、毎日磨かずにはいられない。 一見無意味な行いを何度もしてしまう「儀式的な行動」。その背景には、不安感があると見られてきた。 このたび実験的に証明された。 強い不安感を感じると環境をコントロールしようとする 米国コネチカット大学を含む研究グループが、科学分野の国際誌カレント・バイオロジー誌2015年6月18日号オンライン版で報告した。 何年も前から、不安感と儀式的行動には関係があると言われてきた。 人は不確定で制御不能な状況に直面すると、次に何が起きるか予測できないためにストレスを感じる。適応しようと儀式的行動によって環境をコントロールしようとする、という考えに基づくものである。 研究グループは、強い不安を感じた場合とそうでない場合に、儀式的な行動に差が現れるかどうかについて調査を行った。
医療保険はいらない。この考え方が少しずつ広まっているようです。なぜなら、日本では国の健康保険制度により、すでに誰もが医療保険に入っていることが理解されてきたからです。日本の健康保険制度はかなり手厚いもので、長期入院や高額医療で治療費がかさんでも、患者の自己負担は高額療養費制度によって上限が抑えられています。ですから、「治療費」そのものは国の健康保険で充分に保障されています。 保険会社はもちろん、このことをよくわかっていますので、「治療費」のための保険を販売する余地がありません。そこで、入院したら1日につきいくら払うといった医療保険モドキを開発し、それを「医療保険」の名前で販売してきたのです。 医療保険の実態は「差額ベッド保険」「所得保障保険」 保険会社はこれまで「入院したら差額ベッド費用がかかりますよ」と説明して医療保険を売ってきました。治療費を保障するわけではありませんから、正しくは「入
膠芽腫も消えた! ポリオウイルスでがんを治す新療法が登場2015.04.01 22:0012,048 satomi 悪性腫瘍をポリオウイルスに感染させて殺す――そんな毒をもって毒を制すなデューク大学の新療法を米CBS報道番組「60ミニッツ」が特集しました。臨床実験のフェーズ1からいきなりがんが治る人たちが現れ、「奇跡としか言いようがない」と衝撃を呼んでいます。 番組の流れに沿って、訳しておきますね。 最初に登場するのは2012年に悪性の脳腫瘍の「膠芽腫(glioblastoma)」と診断されたナンシー・ジャスティスさん(58)です。2年半に渡って放射線療法や化学療法で抑えてきたのですが、腫瘍が再発しました。 この腫瘍は2週間で倍に成長します。再発後は「余命長くて7ヶ月」と診断されましたが、その半分になる恐れもあります。治療法はもう何も残されていなかったため、デューク大学の臨床試験の被験者に
グルココルチコイドは、腎臓の脇から出ている副腎皮質ホルモンの一種だ。 この効果を薬剤として応用した薬は「ステロイド」として幅広い病気に使われている。 外傷、感染、リウマチなどの炎症を鎮めるため、免疫の反応を抑えるためだ。 しかし、この薬にはうつ病など心理、認知、行動の障害を引き起こすリスクがあるようだ。 薬剤惹起性の精神疾患を研究するグループがアメリカンジャーナル・オブ・サイカイアトリー誌2014年12月号で報告した。 そう病とうつ病の繰り返しが典型的 研究グループは、ステロイドの使用との関連が考えられる、重篤な心理、認知、行動障害などの精神疾患を発症した人について報告した。 典型的な問題は、そう病とうつ病を繰り返すというものだ。 さらに、ステロイドの大量投与、長期の認知機能の低下、ストレスに弱い傾向、性格の変化が見られた。 自殺や自殺未遂を含む重篤な精神、神経の病気も報告さ
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